第29話

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2026/01/26 13:08 更新



聖哉side







ダンス大会は成功した







まるで、本当にあの時に戻ったような気分で、俺は涙を抑えるのに必死でろくなコメントを話すことが出来なかった








ダンスを終えた拓也は早々にスタッフ職に戻ってしまって、ろくにありがとうも言えなかった










聖哉
聖哉
祥、森くん、愁斗、協力してくれてありがとうございます!
祥
…うん、
英寿
英寿
おう
愁斗
愁斗
ん…






3人の反応に、違和感を覚えた




3人だけじゃない







他のメンバーもどこか違う世界に行ってしまったみたいに、虚ろな目をしていた







けど、このあとすぐに結果発表しますなんて言われて、俺は急いで持ち場に着いた

















そんなこんなで、収録も終わった









終わってすぐに、俺は拓也に声をかけた












聖哉
聖哉
大槻さん!
大槻拓也
大槻拓也
っ!聖哉さん!
聖哉
聖哉
今日は本当にありがとうございました!!
大槻拓也
大槻拓也
いえ!そんなお礼されること…




聖哉
聖哉
お礼が、したい…!
大槻拓也
大槻拓也
っ…!!




聖哉
聖哉
このあと、時間ある…?





大槻拓也
大槻拓也
…21時以降になっちゃうと思うけど…
聖哉
聖哉
大丈夫。…待ってるから



大槻拓也
大槻拓也
分かった、





何とかして拓也を誘うことに成功





そして俺は急いでメンバーの元へ向かう



相変わらずみんな心ここに在らずな感じで、少し不気味だと思ってしまった









聖哉
聖哉
ねぇ、勇馬
勇馬
勇馬
ん?
聖哉
聖哉
なんか、みんな変じゃない?さっきまで、あんな元気だったのに…
勇馬
勇馬
……
聖哉
聖哉
勇馬、?






勇馬は黙って俺の顔を見てくる











勇馬
勇馬
…聖哉はさ、この世界をどう思う?
聖哉
聖哉
え…?
勇馬
勇馬
俺は、…俺達はお前を待ってるよ。そしてお前だけじゃない





聖哉
聖哉
勇馬…?何言って…
勇馬
勇馬
待ってるから。






そう言って、勇馬は俺の元から離れていった




勇馬の言ったことが理解出来ない






なんで、勇馬はあんなこと…

















     『この世界をどう思う?』
















     『俺達はお前を待ってるよ』

















聖哉
聖哉
…まさかっ…























 

大槻拓也
大槻拓也
聖哉っ!




仕事終わりの拓也は、ダンスを披露した時の髪型のままだった





俺の知っている、拓也の姿








聖哉
聖哉
…お疲れ様、拓也
大槻拓也
大槻拓也
…どうしたの?なんか、あった、?





そう言って拓也は俺の顔を心配そうに見てくる








違う




違うよ拓也









聖哉
聖哉
…ねぇ、夜景みない?









そう言って、俺たちは有名な夜景スポットの所に来た






平日で時間も時間だから、人は全然いなかった










聖哉
聖哉
綺麗だね
大槻拓也
大槻拓也
うん、久々にこういう所に来たかも



聖哉
聖哉
…でもね、







聖哉
聖哉
こんなのより拓也の方が余っ程綺麗だと思う




大槻拓也
大槻拓也
っ!!…ど、どうしたの急にっ///





俺の言葉に、拓也は驚いていた





当たり前だろう、なんせ俺は告白みたいなことを言ったのだから






聖哉
聖哉
俺ね、ずっと拓也が好きだった。けどそれは、今の拓也じゃなくて、俺の知っている拓也だった




大槻拓也
大槻拓也
っ…







聖哉
聖哉
前に拓也が言ってたように、俺は今の拓也を見ていなかった




大槻拓也
大槻拓也
……









聖哉
聖哉
でもね、やっぱり俺はどんな拓也でも好きなんだ
聖哉
聖哉
今回拓也のダンスを見て、一緒に踊って分かった。BUDDiiSの拓也も、スタッフの拓也でも…俺は《大槻拓也》自身が大好きなんだ
聖哉
聖哉
それに嘘偽りなんかない




大槻拓也
大槻拓也
せいや…










そして俺は拓也の手を握る













拓也の手は、少し冷たかった













聖哉
聖哉
俺はどんな拓也でも愛する
聖哉
聖哉
…だから、ずっとそばにいて欲しい。もし俺が拓也の届かない場所に居たら、呼んでほしい




聖哉
聖哉
俺も同じように、拓也が俺の届かない場所にいたら、一生懸命呼ぶから…



聖哉
聖哉
だからどうか……








拓也を抱きしめる































______けど、抱きしめられなかった




















俺は夜とは程遠い、真っ白い天井が視界を埋めつくしていた




















ピッ、ピッ、ピッ、ピッ
















独特な消毒の匂いに、機械音






そして手元には______

























聖哉
聖哉
…………ゆうま、?





勇馬
勇馬
……せいや?

















どうやら俺は、俺が本来いるべき____本当の世界に戻ってきたようだった










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