第30話

【30】
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2026/01/29 12:25 更新


勇馬side





俺が目覚めて2日が経った



退院日だった俺達は、荷物をまとめて聖哉の病室で聖哉が目覚めるのを待っていた







勇馬
勇馬
…お前は、そっちの世界で良いのかよ…。戻って来いよ…





聖哉が、俺が眠っていた時に見ていた夢の世界にいるとは限らない







けど、もしそうだったら





そしたらこっちから声をかけ続けないと戻ってこないような気がして








そんな心配をしていたら聖哉の手を握って寝てしまっていた






















聖哉
聖哉
………ゆうま、?




微かな声だったけど、自分の名前を呼ばれて目が覚めた



声のする方に顔を上げると、目の前には起きるのをずっと待っていた人物_____聖哉だった








俺は驚きのあまり、情けない声で聖哉の名前を呼んだ




そして、他に寝ていたみんなも俺の声で起きて、聖哉の元に集まった












まだ頭に痛みがあるみたいだったけど、記憶障害とかは無い見たいで、絶対安静を医師から言い渡されていた




聖哉が起きたのは14時





まだ時間があったから、マネージャーさんに聖哉が起きた事を連絡してから、俺達は聖哉がしっかり話せるようになるまで待った









1時間位経過したら、声の調子も少し取り戻して話せるようになった





そして話せるようになった聖哉の最初の質問は、拓也だった












聖哉
聖哉
…ねぇ、拓也は…?
勇馬
勇馬
っ…






俺は簡単に言葉に出来なかった



でもそれはみんなも同じだったようで、黙ったままだった









聖哉
聖哉
…ねぇ、拓也は?拓也はどうしたの?




祥
…聖哉、落ち着いて聞いてね…?
聖哉
聖哉
う、うん…








祥
拓也は……



















『意識不明の重体なんだ』
















聖哉
聖哉
………ぇ、?













祥はそっから話せなくなってしまった




俯いたまま、言葉を発したくても、発せない状態だった







けど、祥のおかげで俺は覚悟が決まった






俺は祥の肩を優しく叩き、俺が話すと言った







それに祥は心配してくれたが、覚悟が決まった俺の目を見て、頷いてくれた












勇馬
勇馬
聖哉、最後までしっかり聞いて欲しい



聖哉
聖哉
…ぅん、




勇馬
勇馬
拓也は、全身を強く打って危ない状態なんだ
勇馬
勇馬
医者には、もし一命を取り留めても、脳への衝撃が酷くてこのまま意識が戻らない可能性があるって言われた




聖哉
聖哉
っ…拓也は、なんでそんな状態になったの…?











勇馬
勇馬
…警察の人たちが言うには、本来聖哉は生きてないって言われたらしい、




聖哉
聖哉
えっ…?
勇馬
勇馬
事故の時、聖哉が座ってた席は1番危険な場所だった
勇馬
勇馬
…聖哉は、事故の時どういう状態だったか覚えてる?







聖哉
聖哉
……俺、車がぶつかって横転した時、吹き飛ばされるって思ったんだけど…吹き飛ばされる直前に、何かに包まれた気がした





聖哉
聖哉
まるで、俺を護ってくれるような…そんな感じがした…





勇馬
勇馬
っ…









聖哉
聖哉
ねぇまさか…








勇馬
勇馬
…それは、拓也だよ
勇馬
勇馬
聖哉が吹き飛ばされる直前、拓也が聖哉を護ってくれた





勇馬
勇馬
だから聖哉は多少なりともその怪我で済んだ









聖哉
聖哉
…拓也は、今、どこにいるの…?






勇馬
勇馬
…集中治療室、
聖哉
聖哉
行かせて。すぐに





まだ怪我は治ってないから駄目だって言おうとした



けど聖哉の顔を見てしまったらそんな事言えなかった















勇馬
勇馬
…無理は、するなよ





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