第31話

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2026/01/31 12:57 更新




俺は車椅子に座らせるために聖哉を支えた





俺だけじゃ支えきれなかったから森くんも手伝ってくれて、無事聖哉を車椅子に座らせる



















集中治療室は、色んな機材が並んでいる



近くには行けない為、硝子越しに寝ている拓也を見た





硝子越しでも分かる程拓也の怪我は酷いものだった




俺も最初見た時は、衝撃のあまり立っていられなかった











聖哉
聖哉
…拓也の顔、全然見えない
勇馬
勇馬
拓也、顔にもかなり傷を負ったらしい。
だから顔も包帯だらけなんだ





それっきり、聖哉は拓也を見たまま何も言葉を発さなかった





俺はどうすることも出来ない




拓也を治すことも、起こすことも





ただ見守ることしか出来ない





そんな自分が悔しくてしょうがなかった









結局、聖哉はそのまま何も話すことはなかった









俺らは病院から出なくてはならない時間が迫っていたから、俺は聖哉に病室に戻っていいか聞いた




頷いてくれたから、聖哉を病室に戻した








そして聖哉をベットに寝かせる













帰らなければいけない時間まで残り20分






俺はどうしても聖哉に伝えたいことがあって、皆に先に帰ってもらって俺だけ残った















勇馬
勇馬
…ねぇ、聖哉
聖哉
聖哉
…ん、?どうしたの、







勇馬
勇馬
ごめん




聖哉
聖哉
何が…?





勇馬
勇馬
俺があの時、聖哉に席を変えてってわがまま言わなければ、聖哉はこんな傷負わなくて済んだ
勇馬
勇馬
…俺が、聖哉を危険な目に合わせたんだ









聖哉
聖哉
それは違う。絶対



勇馬
勇馬
っ、!









聖哉は、俺の言葉を強く否定した




そして、目も芯を持っている目だった










聖哉
聖哉
俺はあの時勇馬が席を変わってくれって言ってくれたこと、ちゃんと理由分かってるし、感謝してる
勇馬
勇馬
……




聖哉
聖哉
それに、勇馬が大きな怪我したら拓也がすごく悲しむ
聖哉
聖哉
俺は多少の筋肉ついてるから大丈夫だけど、勇馬はほっそいからいろんなところ骨折してたかもしれないよ?
聖哉
聖哉
だから、勇馬の怪我が軽くて拓也も安心してるよ










今日初めて見た聖哉の優しい顔に、俺は泣きそうになってしまった






ほんとに泣きたいのは、聖哉の筈なのに











《20時になりました。面会の方は、ご帰宅するようお願い致します。》












聖哉
聖哉
…面会時間、終わりだね
勇馬
勇馬
うん、…じゃ、俺帰るね






勇馬
勇馬
…聖哉、ありがとう
聖哉
聖哉
全然!気をつけて帰れよ?
勇馬
勇馬
うん






そう言って、俺は帰ろうとした













聖哉
聖哉
勇馬っ




勇馬
勇馬
…?




すると、聖哉に呼ばれた





俺は驚いて振り返る










勇馬
勇馬
どうした、?
聖哉
聖哉
勇馬はさ…事故で寝てる間、長い夢見なかった…?
勇馬
勇馬
っ!!







まさか…









勇馬
勇馬
やっぱり、同じ夢を聖哉も見てたの…?
聖哉
聖哉
やっぱり勇馬も…!!










コンコンッ






看護師
すみません、面会終了ですので、ご帰宅願います





聖哉の言葉を遮るようなかたちで、看護師さんに声をかけられてしまった



確かに、帰らなくては行けない時間を過ぎてしまっている






だけど、俺もその話しがどうしようもなく気になってしまった








聖哉が話そうとしていた夢の話しが











勇馬
勇馬
…明日、朝一みんなで来る
聖哉
聖哉
うん…待ってる







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