俺は車椅子に座らせるために聖哉を支えた
俺だけじゃ支えきれなかったから森くんも手伝ってくれて、無事聖哉を車椅子に座らせる
集中治療室は、色んな機材が並んでいる
近くには行けない為、硝子越しに寝ている拓也を見た
硝子越しでも分かる程拓也の怪我は酷いものだった
俺も最初見た時は、衝撃のあまり立っていられなかった
それっきり、聖哉は拓也を見たまま何も言葉を発さなかった
俺はどうすることも出来ない
拓也を治すことも、起こすことも
ただ見守ることしか出来ない
そんな自分が悔しくてしょうがなかった
結局、聖哉はそのまま何も話すことはなかった
俺らは病院から出なくてはならない時間が迫っていたから、俺は聖哉に病室に戻っていいか聞いた
頷いてくれたから、聖哉を病室に戻した
そして聖哉をベットに寝かせる
帰らなければいけない時間まで残り20分
俺はどうしても聖哉に伝えたいことがあって、皆に先に帰ってもらって俺だけ残った
聖哉は、俺の言葉を強く否定した
そして、目も芯を持っている目だった
今日初めて見た聖哉の優しい顔に、俺は泣きそうになってしまった
ほんとに泣きたいのは、聖哉の筈なのに
《20時になりました。面会の方は、ご帰宅するようお願い致します。》
そう言って、俺は帰ろうとした
すると、聖哉に呼ばれた
俺は驚いて振り返る
まさか…
コンコンッ
聖哉の言葉を遮るようなかたちで、看護師さんに声をかけられてしまった
確かに、帰らなくては行けない時間を過ぎてしまっている
だけど、俺もその話しがどうしようもなく気になってしまった
聖哉が話そうとしていた夢の話しが














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!