第2話

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2024/02/23 09:16
それからしばらく喧嘩が続いたが……
「いい年した大人が…全く滑稽ですなぁ」
「『あ?』」
よし…標的を変えよう
宇佐美もおんなじ事を思っていたらしく、尾形をにらんでいる
「邪魔すんなよ」
『……』
「まぁ…ほどほどに」
そう言うとスタスタとどこかに行ってしまった
『あー感じわるっもーどうでもよくなったわ』
「百之助め…次邪魔したら殺してやる」
あ、それ私も参加したい
『あ…そう言えばもう朝食は取ったの?』
「お前がスヤスヤ眠ってる間に食ってる」
さっきの喧嘩が嘘のように仲よさげに会話が進む
『じぁ…私訓練だからまたねー』
そして宇佐美と別れ訓練に向かう
『あっ…待って今日、射撃訓練じゃんサイアク』
射撃訓練の担当は尾形
悔しいがこの師団で一番の銃の使い手だ
『ムカつくけど…行くか』
銃声の音が段々と大きくなっていくたび、不快感がます
銃声が嫌いなわけではないがこれから尾形の顔を見ると思ったら……おぇ
『はあー……』
大き目のため息を吐きながら銃を手に取る
集中して…出来るだけ早く終わらせたいから
しっかり的に狙いを定めて引き金を3回引く
バンバンバンッ
結果は…

『よし…全部当たった』
これ以上は無駄だ帰ろ帰ろ
と思った時


バンバンバンバンバンッ
銃声が5回聞こえた
まさかと思い振り返ると
『はあ?』
的が5つ銃による穴が空いていた
そして尾形が薄気味悪くニヤッとしていた
『…チッ』
手放しかけていた銃をしっかり持ち直し今度は7つ的を撃ち抜く
すると尾形は14個
『クソッ…』
無駄だと思い射撃訓練を出ようとした
「逃げるんだな…俺に勝てないから」
『……』
無視無視だ!こんなのやつに割く時間がもったいない!
すでにピキピキと額に血管が浮き出ている
無意識に拳を握りしめ手のひらに爪がくい込む
そうだ…私は女だ、どれだけ努力をしようが限界がある
『女だからって舐めてんじゃねぇぞ
いつか、お前の頭ぶち抜いてやるから』
それだけ吐き捨て私は射撃訓練場を出た






『あぁーイライラする』
何食ったらあんなに性格が歪むの?
今は誰かにこのイライラをぶつけたい気分……
その時ちょうど道場を通りかかった
『あんまりここは好きじゃ無いんだけど……』
気は進まないがこの気持ちを発散するためだ
道場に入るなり目の前で宇佐美が相手を投げ飛ばしていた
『おー』
この光景はいつ見てもスカッとする
「あれ…あなたじゃんなに?サボり?」
『尾形と一緒にいるのが耐えきれなくてさ…
イライラしてここにきた』

『と言うわけで……一発殴らせろ』(二コ)
「いや、普通に嫌なんだけど」

呆れた顔をしてさらに続ける
「まず、お前も百之助の挑発に乗るからからかわれるんだよ」
『だって!尾形は私が女だからって馬鹿にすんるんだ!』
「だから…それが挑発なんだよそのくらいもわからないの?馬鹿だなぁ」
『私は馬鹿じゃないし!』
「馬鹿だろ、この前だって僕に何回投げ飛ばされたと思ってるの?」
宇佐美が馬鹿にしたように笑う
『その日はたまたま調子が悪かったんだ!』
「だったら勝負するか?」
今度はいたずらに笑った
『受けて立つ』
続く

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