「ごめんあなた。待ったよね」
「また告白?さすがモテる男は違うね」
「あなた待たせるくらいなら告白なんてされない方がいい。断るのもしんどいし、なにより泣きながら帰っていく女の子見るの苦しいよ」
「それはそうだよね。たっくんは別に悪くないもんね。」
たっくんは優しい。人の気持ちを考えられて、同じ気持ちになってくれる人。
「今日は仕事ないの?」
「うん!今日は休みなの。また明日から放課後忙しくなるけどね」
「そっか。じゃあ今日はうち来てゲームできるね」
「やったー!久しぶりだね」
飛び跳ねながら喜ぶ私を見つめる目が優しくて、その瞳が甘くて吸い込まれてしまいそう。
「また負けた....。たっくん強すぎるんだよ。手加減してよ」
「ふふっ、弱いから悪いんだようだ」
「もう!うざいたっくん。」
「ふははっ、もっと強くならないとね」
そう言って頭を撫でてくる。また可愛がられて、嬉しいけど、同い年なのにずっと私が子供みたいで、いや子供だけど、たっくんが大人みたいで、悔しい。
たっくんとは、対等でいたい。
「なぁなぁ、お前らってやっぱ付き合ってるよな?」
休み時間。クラスでみんなで話してる時、たっくんの隣にいる男子がそう言ってきた。
中学生になるとカップルが増えた。小学生の頃はませてる人が急に付き合いはじめて急に別れる、そんなことばかりだったけれど、中学生になるとその場のノリとかも現れて、一気にカップルが増える。
私はそんな人たちにはなりたくないし、本当に大好きなたっくんと両想いで付き合いたい。叶わないが。
「っ違うよ!付き合ってない!幼馴染だよ」
こんの
「にしては仲良すぎじゃん。今野焦ってんじゃん」
「焦ってないよ、やめてよそういうの」
ただただそういう関係だとからかわれるのが嫌で、ムキになった。
「俺らはそんなもんじゃないの、冷やかされる関係でもないし、そこらへんにいるカップルよりもいい関係だから」
たっくんが隣から口を挟んだ。ざわざわしていた空間だったがみんな黙り込んで、たっくんを見つめる。
落ち着いてて、だれも否定しない。
「みんなが思ってるほど軽いもんじゃないってことよ、ふふっ」
そういうとみんなの笑顔が戻った。
たっくんは魔法使いなのかもしれない。空気を変える力。ただがむしゃらに気持ちを伝える私とは違って、みんなに気持ちを優しく訴える。
どこまでも大人で、追いつけない。
「ねぇあなた。ごめんねさっきは、梶原が。嫌だったでしょ」
どんなに一緒にいても、ごめんとありがとうは忘れない。
「ううん。ただ悔しかっただけ、たっくんと私が冷やかされるの」
「だと思った。俺も、悔しかった」
2人が思う関係は一緒で、2人が想いあっている感情も一緒なのかもしれない。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。