あれからどのくらい泣いたのだろう。
結構泣いた気がする…
そろそろ戻らないとな、と洗って、温まってお風呂を後にした。
ちら、と時計を見ると1時間経ってる。何分泣いてたんだろ、
…いつもだったらこの後一緒に同じベットで寝るんだけどなんだろう、入るの気まず。
ってか、ここまで嫌がるってなに??もうなんか反抗期じゃん。反抗期の息子じゃん。
勝手に落ち込んで勝手に泣いて勝手にいらいらして。
この流れでさっさと部屋に入ってやろうとドアノブに手をかけ扉を開ける。
そしたらそこには横になってる坂田くんがいて、私に気付くと暫く目が合う。
沈黙が流れ、この沈黙を遮ったのは坂田くんだった。
え、なんで、なんで??
…ここまで来たらまるで、私の事避けてるみたいじゃん
ゆっくり立ち上がり私の横を通って部屋の外に出ていこうとする相手の裾を思わず掴む。
するとこちら側に倒れてくる坂田くん。
ぼふっ、なんて言いながら2人まとめてベットの上に倒れてしまった。
今日初めて触った彼の肌。そしてちゃんと見た彼の顔。
安心そうにそういう彼。それに裏腹に心配そうに見つめる私。
そして座り、立ち去ろうとする彼にすかさず告げる。
その言葉にぎょっ、とする坂田くん。
少し強めに行ってみるとぽす、と肩に寄りかかってくる。
けほ、けほ、と席をしながら謝る彼。
こんな弱ってるの珍しいな
持ってこようと思ったけど切なそうに見つめてくるから。
これ以上無理させたらダメだよね。坂田くんが寝てからこっそり貼っておこう。
なにか言いたそうにしてたけどそんな隙も与えないように布団をバサッとかける。
そうしたら何も言えなくなったみたい。
暫くしたらすぐに眠りに着いた彼を確認してからそっと抜け出し冷えピタを取りにと部屋を出た。
……To be continued ❃
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。