リビング。
ろぜの膝の上で、みかさはクッションを抱えている。
らいとがほっぺをつつくたび、むに、と柔らかくへこむ。
しおんは腕を組んで真顔
ろぜが真面目な声になる。
らぴすはみかさを見る。
みかさは、兄たちの会話をなんとなく聞いている顔。
でも。
めるとが視界に入る位置に立つと、
す、と体を横にずらす。
小さな距離。
明確な拒絶。
らぴすは静かに言う。
ろぜの手が止まる。
らいとが、めるとを見る。
めるとはソファの背にもたれたまま、笑っている。
いつもの、完璧な顔。
静寂。
しおんが視線を逸らす。
らいとが舌打ちしそうになってやめる。
ろぜは、ゆっくり言う。
その瞬間。
みかさの指が、ぎゅ、とクッションを掴む。
無意識。
めるとは気づく。
気づいて、目を細める。
軽い声。
でも、誰も軽く受け取らない。
しおんがぽつり。
空気が重くなる。
みかさは、ぽかんと兄たちを見る。
意味は完全にはわからない。
でも。
“めると”という名前が出るたび、
小さな体が、わずかに固まる。
らいとが低く言う。
直球。
ろぜが「ちょ」と止める前に。
みかさの目が、うるっと揺れる。
首をぶんぶん振る。
かすれた声。
でも。
次の言葉が出ない。
めるとは、その一瞬を見逃さない。
嫌いじゃない。
でも、近づけない。
その顔。
知ってる。
昔、俺が“勝ち続けた日”のあと。
みかさが、ひとりでゲームしてた夜の顔。
らぴすが静かに結論を落とす。
隣。
その言葉が刺さる。
みかさは、ろぜの胸に顔を埋める。
めるとを見ない。
めるとは笑う。
心の奥で、やっと理解する。
あの日。
みかさが言った。
「ちっちゃいころにもどれたらな」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。