表情に遅れて声が漏れるスマイルの頭上に!と?が浮かんでいるのが見える気がする。
笑いが腹の底から湧き出てくるのを感じる。我慢ならず口をわっと開ける。
笑いが私の中に収まるまで存分に玄関で笑い飛ばした。その間もスマイルはわたわたとしていて、さらに私の笑いを引き起こした。
ようやく、笑いが腹の奥へ収まると潤んだ瞳の涙を指で拭き取り靴を脱いだ。荷物を雑に落とすと疲れた身体をベッドの上へ投げた。
スマホのロック画面に表示されている日にちをそのまま口に出す。
たしか最後に動けてたのは八月の中旬くらいだった記憶だ。半月も動いていなかったのか……。
そう、実際の時間を知って改めて現実と向き合っているとスマイルは顎に手を置き何かを考えている様相だった。
そのときは疑問に思いつつも誰にでも秘密はあるものだと片付け、強い光を放つ月の空に目を向けた。
鞄のなかをごそごそと探り、手に取る。
テレビの台に置かれているスイッチを取り、カセットを入れてコントローラーを取り本体を充電器に差し込む。するとテレビにゲーム画面が映る。
片方のコントローラーをスマイルに渡し、画面に目を向ける。
と、謎に胸を張っていると優しく微笑まれた。
その顔には、寂しさも伺えたが今の私がその理由を知る由もなく、再度ゲームに集中した。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。