第98話

きゅうじゅうはち
627
2022/03/12 14:24 更新
あなたside
(なまえ)
あなた
私今、生きていてよかった
鬼門乃亜
鬼門乃亜
…なに、嫌味?
(なまえ)
あなた
違う。感謝だって言ったでしょ?
何度も死のうとしたけど死ねなかったのは、きっとこの人たちに会うためなんだって思っている。
みんな天然で、ツッコミが大変だったけど、一生懸命私のことを笑顔にしようとしてくれた。

私の苦しみを優しく包み込んでくれた。

私の大好きな人たち。
離れたって結局この人たちのことを考えてて、気づかないうちに頭の中はその人たちだらけになっていた。
(なまえ)
あなた
その人たちに会えたから。だから、生きててよかった。
私が笑顔でそう言うと、鬼門はガックリと膝から崩れ落ちた。
鬼門乃亜
鬼門乃亜
…なんで私は、アンタになれないの、?
鬼門乃亜
鬼門乃亜
ただ、幸せになりたいだけなのに…
声をあげて泣く鬼門が、私の目には羨ましく映った。
(なまえ)
あなた
…私からしたら十分、幸せだと思うけど、?
鬼門乃亜
鬼門乃亜
は、?どこが!!
(なまえ)
あなた
そうやって泣けるの。分からないかもしれないけど、結構幸せなんだよ?
私は子供の頃から泣きたくても涙が出なかった。

出そうとすると演技になってしまった。
だから私にとっては、自分の気持ちに正直になってそれを表現できることが幸せなんだ。
 
鬼門乃亜
鬼門乃亜
意味分かんない…
そう呟きながら目を擦るこす鬼門は、心做こころなしか微笑んでいるように見えた。
鬼門乃亜
鬼門乃亜
私はもうアンタみたいな変人と会うつもり無いから。
赤くなった目で私を睨みつける鬼門。

その言葉が、鬼門なりの謝罪なんだと勝手に受け取って返事をする。
(なまえ)
あなた
あっそ
鬼門が病室を出ていく。
これでもう私たちは、赤の他人だ。

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