見知らぬ人が話しかけてきた。白髪に、黒を基調としたダル着。犬の耳のようなものがついている。
その近くには、黒髪の筋肉質の男性。その方も同じような恰好をしている。
せめてもの礼儀、一般常識として一応挨拶を返す。
今までほかの住民と関わるつもりは無かったが、曜日や日付の感覚が欠けているかつお金がない私にとっては
関わることは不可避だろうと悟った。
私も、自己紹介をさせてもらう。
そろそろ帰らなければいけないことを思い出し、お礼を言ってその場を離れた。
家に着くと同時に、ピロンと通知がなる。
『良かったら明日の12時ごろに街案内しますよ』
数分悩み、『ぜひお願いします』と返す。
もちろん、その一瞬だけ。
そんな感情とは裏腹に、また会えるというばかばかしい気持ちを持っていたことには気づかなかった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。