第3話

< 002 >
75
2026/06/01 15:25 更新




嫌な夢を見た。




道を歩く僕に覆い被さる、複数の影。



僕の体にしがみついていたり

ただ横を歩いていたり。


後ろから首を絞めている影もあった。




どうにか抗おうと、早足で足を進める。


それでもついてくる、数え切れないほどの黒い影。


ボソボソと耳元で囁く、顔も見えない人影。



キーン、と耳の奥で耳鳴りがする。



ㅤ⠀
あいしてる。




knmc
っ、……!




パッ、と目を開けると、自室の天井。


服に汗が染み付き、気持ちが悪かった。



knmc
…またか




何度も見る同じ悪夢に、うんざりしていた。



はぁ、とため息をつき、適当に服を着替える。



knmc
…もう見ませんように。




指を組み、ギュッと目を瞑り願った。



何度目の祈りかは、覚えていない








布団をかぶり、目を閉じた。






人の手が、首に巻かれる感覚。



横腹を、下からゆっくりと撫でられる感覚。



耳に伝わる、ゾワゾワとした感覚。



手を絡み取られ、ギュッ、と握られる感覚。



ベッドのシーツへ、肩を縫い付けられる感覚。



臀部を、手でサワサワと撫でられる感覚。



首筋へ、チクリとした小さな痛みが走る感覚。



唇に、柔らかいものを押し付けられる感覚。



腹の奥で弾いた、熱いもの。




knmc
…もう、いいってば。




誰に伝えた言葉でもなかった。



knmc
もう終わったことだよ




自分に言い聞かせるように、呟いた。




knmc
いつまで引きずってんの。




そうだ。


そうだよ。




いつまで引きずっているんだ。








あの事件は、もう終わったことなのに。




プリ小説オーディオドラマ