目を覚ますと目の前には綺麗なシャンデリアがあった。ギラッギラに輝くようなシャンデリアに、まだ夢の中にいるのかと解釈した私は寝返りを打ちながらフワフワふかふかベットを堪能した。でも、いくら瞬きしても変わらないその景色に少しずつ不安になる。寝起きで冴えない頭を使いながら現在の状況を整理しよう。
……あれ?私昨日床で寝たくね?
あの後、帰ってくるのを待たずに寝たんだよな。床で。いや、正しくはカーペットの上で。カーペットだけでも柔らかくて全然大丈夫かと思っていたが無意識にベッドを求めていたのか?何それ怖い。
きっと、御影くんが運んでくれたんだな。そう結論づけた。だとしても私の荷物をわざわざ取りに行ってくれた御影くんにお礼も言わず爆睡かますなんて私クッソヤバくない??……うわ待って、口調移ってる最悪。
何から何まで本当に申し訳なさすぎる。御影くんって誠士郎にもだけど尽くしたいタイプだよな本当に大富豪の御曹司か?なんでも出来るんだからせめて性格くらい悪くあれよ。いや、それよりもお礼を言わなくては。
でも、私がベッドで寝てるってことは。
ばっと隣を見てみるが御影くんの姿は無い。てことは、もしかしなくても、御影くん床で寝てる??!あの御影玲王様にそんなことをさせるなんて許されない行為だぞ!?私のために尽くしてくれる"友達"になんてことしてんだよ!馬鹿野郎!!
ドタドタと足音を立てて部屋の中を探し回る。やっべぇ、広すぎる。そんでもって部屋も多い。これ最早、家じゃん。
リビングっぽいところに到着すると大きなソファに横になって寝息をたたている御影くんを見つけた。うーんソファでも寝心地良さそうだな。安心。
好奇心に敵わなかった私は、ぐっすりと眠る御影くんの顔をまじまじと見つめた。どんな角度から見ても綺麗な寝顔。眠れる森の美男じゃん。…モデルとかやんないのかな。冗談抜きで日本人の美しさを世界に見せつけるなら御影くんが1番だと思う。
無意識にそのサラサラな髪に手を伸ばす。想像以上に気持ち良い髪触り。途中で絡まるようなところなんてないし、ソファで寝てんのに寝癖ひとつない。使ってるトリートメント教えてもらお。
……あ、起きた。
夢中になって触っているとピクリと御影くんの瞼が動いた。その後ゆっくり開いた瞳で私を見つめる。
ごめんね。起こすつもりはなかったんだけど。その言い訳を聞いてもらおうと口を開こうとした瞬間、ぐいっと腕を引かれ、御影くんの腕の中にがっしりと閉じ込められた。
「ぅわっ……!?ちょっ…」
「……あなた。」
驚く暇もなくぎゅっと強く抱きしめられる。てか、私まだ服きてないよ?この寝間着1枚だけど?!あんまりくっつかれると危険なんだが?
「み、御影くん…?」
「……かーあい。」
あ、寝ぼけてんなこれ。普段言わないような言葉に、呂律の回っていない喋り方。確実に寝ぼけている。御影くんて朝弱いんだ。なんか意外。何とか離れてもらうために口を開くがまるで聞いてない。それどころは頬や額にちゅっと、触れるだけのキスをされる。
「擽ったい。」
「んー…はは、夢の中までその格好とか、俺好きすぎだろ…」
自虐気味に笑う御影くんはどうやらこの状況を夢だと思っているらしい。途端、顔を近づけ唇にまでキスしようとするものだから手のひらで御影くんの口を抑える。
「やめて。」
「…こんなとこまで再現しなくていいっつーの。」
眉を下げて不服そうな顔で私を見る。
「はぁ…現実だよ。これ全部。」
「……え、?……は?」
私の一言で目を丸くした御影くん。私達の間に沈黙が生まれる。暫くすると私はその空気に耐えられずぷッと吹き出してしまった。固まったままの御影くんに手を伸ばし、柔らかい頬をつねる。
「痛いでしょ?」
「……いてぇな。」
未だ頭が働いていないだろう御影くんにちょーっとだけ悪戯心が湧いた。少し。本当に少しだけね?ニヤニヤと笑みを浮かべながら御影くんを見つめて言葉を放つ。
「夢の中で私に何しようとしてたのかな?みーかげくんっ?」
「…なっ、おま、っ、はぁ……??」
顔を真っ赤にして後ずさる御影くん。想像以上のリアクションで今まで以上に笑いが込み上げた。
「なんっで着替えてねぇんだよ!!バカあなたっ!!」
「あはっ、図星だ。」
「…てめぇ、まじでぶち犯すぞ。」
冗談言ったら本気でキレられた。きゃーこわーい。と、棒読みでぼやくとどこから持ってきたのか私の着替えが入ったバックをぶん投げてきた。か弱い乙女になんてことするんだ。
脱衣所で、いつものパーカーに着替える。扉を開けてリビングに戻るとジト目の御影くんがこっちを見ていた。
「マジでそういうとこだぞ。」
「え、?何が?」
「……無防備すぎんだよ。」
そんな事を言われてもな。御影くんは何もしないって信用してるし。それともするって宣言なのか?まぁ事実部屋で一夜をすごして何も無かったんだから信用するでしょ。そりゃ、知らない人の前でこんなことしないよ。
「御影くんの前でしかやらないよ。」
「っ…お前もう喋んな。」
片手で顔を覆って御影くん。安心させようとはなった言葉は逆効果だったみたいで、髪の毛から除く耳が真っ赤に染っていた。
長くなってすみません。もしかしたらこの長さ続くかもしれません。本当にすみません。
あと欲望しか詰まってないような話読んで頂き本当にありがとうございます。投稿してなくても通知が続くから本当に嬉しかったです!












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。