娘が、行方不明になったと連絡が入った。
娘が学校でいじめを受けていたと初めて知って、驚き、許せない気持ちになった。
どうやらそのいじめっ子が、今からここに来るみたい。
怒りを抑えられるかな…
しんとした、いかにも真面目でシンプルな会議室。
この空気が、私は重苦しく感じてあまり好きではない
『嫌だ!!!行くわけねえだろ!!💢』
遠くから、ドス黒い怒号の声が聞こえて来た。きっと先生に無理やりここに連れてこられているのだろう。
さらに気が重くなるが、大切な娘をいじめて、行方不明にまで追い込んだ人物だ。絶対に許すつもりはない
ガラガラガラっと会議室の扉が開かれ
そして、その人物は現れた。
ユイという名の少女は、鋭い目つきで私を睨みながら荒々しく「ダンっ」と椅子に腰掛けた。
娘がいじめられていた理由が判明した。
ユイという少女は、話が通じないタイプの人間だった。
この世の中には頭が悪すぎて話が通じない人も一定数いるものだ。
少女の顔はみるみると赤くなっていく。
どうやら地雷を踏み抜いてしまったようだった。
でも結局、
集団でいじめをしたり、気に食わない人に酷い態度を取ったりする人に限って、
人一倍周りの目を気にしていたり、
劣等感でいっぱいでそれを人にぶつけないと気が済まなかったり、
心にぽっかり穴が開いていて、嫉妬と妬みの感情ばかり生まれて何をしても満たされないような可哀想な暇人だったりするのだ。
図星なことを言われると、人は否定されたと感じて
怒りが芽生え、気勢を張ってしまうものだ。
少女の目はだんだん血走って来て、頬は赤くなり
下まぶたに涙が溜まっていくのが見えた。
少女の目からほろりと涙が溢れ、頬を伝った。
泣きながら叫ぶ少女の顔は、狂気に満ちていて、
本当に救いようがないほどに哀れで可哀想だと思った。
そう捨て台詞を吐いて、少女は勢いよく椅子から立ち上がり、涙を腕で拭いながら、走って会議室から出て行った。
ガラガラガラ____バタン














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。