Yu side
放課後、1年の教室に迎えに行く。
流石新学期、人が多い。通りかかる女の子たちの歓声が聞こえる。
……もう慣れたけど。俺は入学式早々顔がいいとか何とかで女子の先輩や同学年の人たちからアプローチされた。関係を持つとめんどくさいなんて中学校で履修済みだから告白してもらっても断ってきた。
1年のフロアに着くと新入生のきらきらした感じの女の子たちが俺の前に飛び出してきた。
「連絡先教えてくれませんかっ、!」
ごめんね、そういうのやってなくて……と断らせてもらい足早にその場を立ち去る。
そういえば井上くんにクラス聞いてなかったな、やらかした……、ガラス張りの窓から教室の中を横目で覗く。教室にいる女の子たちが一斉にこっちを見てくるものだからそういうのじゃないよ〜と心の中で呟く。参った、見つからない。
一通り回ると急に後ろから制服の袖を引っ張られる。振り向くとぱっつん前髪とすっと通った鼻の美青年、いや、井上くん!
校舎を下って靴箱に向かう。2年と1年は少し離れているので断って先に靴を取らせてもらいハルに付いて1年の靴箱に行った。
門を出てバス停までの道をゆっくり歩く。
なんか手のひらで転がされてる感が時が経つにつれて大きくなる。井上くん、もしかしてやり手ですか。俺、先輩なんですけど。
いやいや、思い返してみれば井上く、……ハルがやり手でないはずがない。じゃなきゃ初対面の人の運賃スマートに払ったりしないし、制服の裾引っ張ってドキッとさせないし!多分、彼女いるんだろうな〜 、ハルの彼女が羨ましいよ……とてもデキる男だもん。
ふと我に返って自分の思考を疑う。
え、俺彼女側で考えてた
流石に俺先輩だし、多分ダンス部でも先輩になるし!?彼女側になることは無い、あっても彼氏側でしょ、てかそもそも男同士にそんな関係ありえるわけ!俺は別にいいけど!
なんならハルの彼女にしてほしいけど!
「先輩に彼女になってほし〜」
と笑いながら君は言うけど。俺心臓バックバクです。
……To be continued













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!