第2話

命令1 10月19日(月)午前0時0分
78
2022/12/08 04:18 更新
携帯が鳴り響く。
伸明
…ったく誰だよ、こんな時間に……
伸明は布団の上をゴロゴロと転がり、携帯に近づき届いたメールを確認した
王様(メール)
王様(メール)
【10/19 00:00 送信者:王様 件名:王様ゲーム
本文:これはあなたのクラス全員で行ってもらう王様ゲームです。
王様の命令は絶対なので24時間以内に従ってください。※途中棄権は認められません。
*男子出席番号4、井上浩文、女子出席番号19、中尾美奈子 二人が頬にキスをする END】
半分寝ている目をこすりながらメールを読んだ。
伸明
なんだよ、これ?
イタズラメール?
くだらねぇ
携帯をマナーモードにして床に脱ぎ捨てていた服の上に投げ、もう一度寝ることにした。




次の日、伸明は見慣れた教室のドアを開け、挨拶する。
伸明
おはよう!
みんなが席を立っていって、教室がやけに騒がしい。
輪を作ってなにかやっていたから、興味本位でのぞいてみた。
伸明
ねぇ、何やってんの?
みんな立ち上がって興奮してるみたいだけど?
すると横にいる直也が教えてくれる。
直也
なんだよ、伸明には王様ゲームのメール、届いてないのか?
伸明
ん?
あぁ〜人が気持ちよく寝ているときに、【王様ゲーム】ってイタズラメールが届いてたなぁ
直也
なんと、そのメールがクラス全員に届いているんだ!
みんなメールを面白がって、ただいま王様からの命令を実行中!
伸明
面白がって?
悪乗り?
直也の横で、秀樹は机に腰を掛けて足をぶらぶらさせている。
真美
ほらほら、浩文も美奈子も照れるなって!
頬にキスぐらいなんだ
真美が手を広げてあおる。
秀樹
は・や・く、は・や・く
手をメガホンみたいにして秀樹が叫ぶ。
秀樹
王様の命令は……?
クラスメイト
絶対!
クラスの半分ぐらいが声をそろえた。浩文は困惑気味に、秀樹に近より指を指した。
浩文
秀樹なぁ〜、お前がやってみろ?
かなりはずかしいぜ!
気が強い美奈子は、腕を組んで左足でコツコツと足踏みしながら待っている。
美奈子
ねぇ…女の私を待たせるの?
根性なしねぇ
浩文
な、なんだって!俺は根性無しじゃない!
キスをすればいいんだろ、キスを!やってやるさぁ
浩文は投げやりな感じで言う。
それを聞いた秀樹は笑みを浮かべ、右手の指を3本立てた。
秀樹
いいぞぉ、浩文!
カウントダウン行くぞ!
クラスメイト
3,2,1,GO!
浩文
やってやるよ!
浩文は美奈子の肩に手を置き、顔を近づける。
そして、みんなの前で頬にキスをした。
クラスメイト
ウァオ!
クラスメイト
ヒューヒュー!
クラスメイト
ブラボー!
見物していた生徒たちが浩文と美奈子のキスを見て騒ぎ立てる。
クラスメイト
やるねぇ〜、浩文くん!
美奈子が腕を組んだまま浩文に近づき、バシッと浩文の頬を引っ叩いた。
浩文
痛い……し
浩文は叩かれた頬を痛そうに押さえる。
美奈子
へ・た・く・そ!
美奈子はそう言って、浩文の前から去っていく。
浩文は今にも泣きそうな顔で秀樹に近よる。
浩文
どうして俺が、キスしなくちゃいけないんだよ
秀樹
だって、浩文と美奈子がキスしろって、
王様からの命令だったんだから仕方ないだろ!
浩文
だけどさぁ〜
秀樹
あぁ〜、面白かった!
また明日も王様メール届かないかなぁ〜!
秀樹は机から立ち上がると、浩文の顔をのぞきこみ自分の席へと戻っていった。
伸明
マジあいつら、みんなの前でキスしちゃった!
伸明の言葉に、
直也
あぁ…秀樹が言い始めたら止まらないよ…
誰も止められない
直也は軽くうなずく。
伸明
あぁそうだな。
明日もメールが届いたりして?
次は直也かもよ?
直也
冗談でもよせよ!
縁起でもない
伸明
憧れの寛子ちゃんとキスできるかもよ?
直也
それならいいな!
直也は、頬を赤くして喜ぶ。
伸明
できるわけねぇじゃんか!バァーカ!
直也
うるせぇ〜な
直也が伸明を追いかけてくる









先生
みんな席に着け!
先生が教室に入ってくる。全員素早く自分の席に座った。
そのとき、伸明の携帯に1件のメールが届いた。
王様(メール)
王様(メール)
【10/19月8:25 送信者:王様 件名:王様ゲーム 
 本文:服従確認 END】
それから、いつもと変わらない1日が始まった。授業を受け、昼ご飯を食べ、また授業を受ける。
休憩時間は友だちと話したり遊んだり。そして、今日1日の授業が終わる。
授業が終わり帰る頃には、朝の王様ゲームのことなど、みんな忘れ去っていた。

プリ小説オーディオドラマ