救急隊の声を振り払い 、
外へと出た 。
外は相変わらず 、
俺の心を表しているかのように 大雨 。
傷が開き 、血が水たまりを赤く染める 。
体に打ち付ける 冷たい雨が 、
何とも嫌だった 。
数十分程走って着いたのは 、
森の中の洞窟 。
俺の足は限界を感じたのか 、
崩れ落ちた 。
カプセルの中で最初の最後 、
俺のことを初めて【 兄さん 】
と呼んでくれたよね 。
1回だけ同じ時間に起きて 、
個人医なのに治してくれたよね 。
嫌そうにしながら ちゃんと
起こしてくれたよね 。
転がり落ちた鬼の面 。
洞窟には 、俺の泣き声だけが 反響していた 。
もう嫌だ 。
もう疲れた 。
もういいでしょ ?
上官だってちゃんとやり切ったし 、
街の人からも信頼された 。
大量出血の中 、意識が朦朧として
その数秒後には プツン ッ と糸が切れた 。
激痛で目が覚める 。
ふわふわと浮く感覚があれば 、
そこはヘリの中 。
どうやら 後ろに寝かされているようだ 。
頭を触ると 、先程解いたはずの包帯が
巻かれていた 。
前を向く顔は 、誰だろうか 。
バケットハットを被って 赤い髪をした人 。
ヘラシギさん … 、?
この街に来た時 、
真っ先に出会った人 。
オリジナル の気まぐれかなんなのか
分からないがラディの記憶が流れ込んでくる 。
【 どしたのラディくん 。 】
優しい声色で 、個人医なりたての
ラディを見てくれた ヘラシギさん 。
この人は 、俺たち 両方見ていたのか 。
顔も変えずに 言うヘラシギさんが
瞳が寂しげに感じる 。
何時もの優しい瞳が 、
俺の心を見据えているみたいに 。
俺の体力はそこで尽きた 。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。