ここは夢の中なのだろうか 。
小さい頃のラディが見える 。この世の
不幸なんて知らない 綺麗な瞳 。
これが汚れるなんて 、
この頃は思ってなかった 。
先祖 から受け継いだ書物を見るまで 、
【 青井家の失敗作 】と言われ続けた 。
… いや 、これも オリジナル に創られた記憶
なのかもしれない 。
夢の中で霧がかかり 、
俺は手を伸ばしても 届かなくなった 。
ほんと 、最悪の夢だ 。
少し痛む頭が働き 、視界がクリアになる 。
起き上がれば 、そこはベンチで
寝かされていたようだ 。
そのベンチは 、病院の目の前で
救急隊が何人も出ていく 。
その中に 、見覚えのある顔があった 。
ウィルナイアー 。
オリジナル の仲間のコンタミの 派生だ 。
俺はベンチから降りて 、物陰へと移動した 。
気付かれなかったであろう 銃痕から
血がタラタラと流れる 。
痛みで腹を抑える 。
腹に貫通した風穴がずっと痛む 。
でも 、この心の痛みに比べたら
どうって事ない 。
キリキリと痛むのは 、どちらなのか 。
痛みとは何か違うもので 涙が込み上げる 。
空を見あげた 。
青く澄んだ空が 酷く見えた 。
俺はもう 、生きる自信を失ってしまった 。
悶え苦しんでいた俺に 、気付いた市長が
俺の前に立っている 。
もう俺はダウン済み 。
このまま放置すれば 、【 死 】を
体験することになるらしい 。
口篭り 、俺に伸ばした手を引っこめる 。
その姿に 見覚えがあった 。
もう居ないあの子の面影が見えてしまう 。
黒く青い模様の入ったお面 。
あ 〜 あ … 、
後悔する前に レダーから 貰っとけば良かった 。
最近は涙脆いなぁ … 、
額をつたい 、涙が流れ落ちる 。
少し湿った地面は 、少し雨の香りがした 。
その言葉を残して 、どこかへ行ってしまった 。
もう少し … 、もう少しだけ 。
涙で埋もれる目を瞑り 、口ずさんだ 。
リクエスト 、ほんとにしなくていいんですか ?












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!