第14話

1,042
2022/09/17 12:17





鳥の声が聞こえて自然と目を開けた土曜の朝



アラームに起こされることのない有意義な時間のはずだった、










コンコン




あなた

(ん、?





今時インターホンを鳴らさずにノックしてくる人なんている、?


不思議に思いインターホンから見ると




あなた

先輩、





昨日も話したソクミン先輩がいた


あいにくスッピンなもので出られるわけもなく少し待ってもらうことに










あなた

すみません、お待たせしました…

ソクミン
ソクミン
いいよ、僕こそ突然ごめんね
ソクミン
ソクミン
休日の朝から、
あなた

いえ、大丈夫です





中に通すと、遠慮がちにちょこんと座る先輩

なんだか可愛くて頬が緩んだ






ソクミン
ソクミン
あのね、今日来たのは…
あなた

はい

ソクミン
ソクミン
あなたちゃん、最近つけられたりとかしてない?
ソクミン
ソクミン
誰かに、帰りとか…
あなた

え?…

あなた

なんで先輩が、?

ソクミン
ソクミン
心配でさ、
ソクミン
ソクミン
大切な後輩ちゃんだし、ね?
あなた

は、はい








ストーカーのことは

ハオちゃんとスングァン君にしか言ってないはずなんだけど…


スングァン君が先輩にも伝えたのかな、?






そう考えているとスマホが鳴ってスングァン君の文字が





あなた

すみません、

ソクミン
ソクミン
出ないで
あなた

え?





電話に出ようと立とうとした時

先輩に強く腕を掴まれた







あなた

すぐ戻ってきますから、

ソクミン
ソクミン
あなた

先輩、?

ソクミン
ソクミン
あぁ、ごめんごめん
ソクミン
ソクミン
冗談、いいよ出て出て^^
あなた

?、失礼します







スングァン君の電話に出ると慌てた様子の大声が聞こえた





スングァン
スングァン
あなたちゃん!
スングァン
スングァン
今、ソクミン先輩といるの!?
あなた

え?そうだけど、

スングァン
スングァン
今すぐ逃げて!
スングァン
スングァン
コンビニにでもいいから早く!
あなた

え?何言ってるの?

スングァン
スングァン
そんなの後ででいいから、早く逃げて!
あなた

何言って…

ソクミン
ソクミン
貸して
あなた

え?

ソクミン
ソクミン
もしもし?スングァン君?
スングァン
スングァン
な…
ソクミン
ソクミン
君は本当に僕の邪魔ばっかりするね
スングァン
スングァン
いくら先輩でも許さないです
スングァン
スングァン
あなたちゃんには手を出さないでください
ソクミン
ソクミン
出さないつもりだったけど、
ソクミン
ソクミン
君が僕を煽ったんだよ
ソクミン
ソクミン
じゃあね…
スングァン
スングァン
あ、ちょっ…!






強引に私からスマホを奪ってスングァン君と話した後

全く状況をつかめない私にゆっくりと近づく先輩



その目はいつもの先輩とは違う

ぎらぎらと燃えるように獲物を見つめる野生動物そのものだった






ソクミン
ソクミン
おいで、あなたちゃん
ソクミン
ソクミン
やっと僕の物に…






じりじりと近づく先輩に恐怖心を覚え、比例して後ろに下がる


トンっと背中に壁がついて行き止まりを知らせた




スングァン君を呼びたくても

先輩の目に捕らわれているからか喉がグッと絞まり声が出せなかった






ソクミン
ソクミン
逃がさないよ…
あなた

っ…







少し前まであんなに大好きだった先輩の大きな手が私の頬を撫でる

割れ物を扱うように優しく丁寧に


普通ならときめくのに今は背筋がゾクッと凍った







ソクミン
ソクミン
可愛い、




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