niko side
私の知らないところで決められた条件ほど、
無礼なものは無い。
りほの指導役であり、SS級メイド昇格試験に合格し、その上で私に選ばれたメイドを私の部屋へ呼び付ける。
「失礼致します、✕✕でございます。」
既に失礼をしているというのに、
いちいちウザったいなと思ってしまう。
「入りなさい。」と許可を出せば、
腹が立つ程の美しい所作で部屋へ入る。
「お嬢様、どうされましたか。」
「貴女が、りほにあんな変な条件を飲ませたメイド?」
「……変かどうかは分かりませんが、
条件をつくったのはわたくしでございます。」
ゆっくり温度が下がっていく感覚を持つ。
「私は、あの条件を今日初めて聞いたわ。
あの条件が出来たのはいつのことなの?教えなさい。」
「2週間以上前でございます。」
「何故、私に相談しなかった。」
「否定なさるからでございます。」
「だから、なんだというの。
否定するから最初から聞かせない、と否定するだろうけど確認を取り、ちゃんと条件を作るでは、天と地の差。」
「それは、分かってのこと?」
「…勿論、分かっています。
ですが…、」
「もういい。
吐き気がする。
貴方、✕✕を外へ出して。」
「そして、お父様へ連絡を入れて。」
…心底嫌いだ。
だから、この家が嫌いなんだ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。