登場︰あなたの名前(女子)ちゃん、エンス
hbcさんmain
注意︰ヒーロー業にまつわる捏造設定
備考︰あなたの名前(女子)ちゃん大学生
【 それ以上の幸せが目の前にある 】
公園の広い原っぱの一角に、彼女はいた。
自分が危険な状況にいることも気づかず、黙々と地面を
見つめていた。
パトロール中、街で一番デカい公園でKOZAKA-Cが出現し、
オリエンスで対処に当たることになったのが事の始まり
である。
見通しの良い原っぱを残っているとはいえ、公園の中を
回り終わったところで、逃げ遅れた市民は一人として
見受けられなかった。
原っぱに足を踏み入れようという時、晴れているにも
関わらず、頬に水滴が当たった。
この状況には似つかわしくない事を思いながら原っぱを
見渡す。
一心不乱に地面を見つめ、しゃがみ込む少女が。
信頼している仲間達が対処にあたってはいるが、いつここへ
KOZAKA-Cが向かってくるか分からない。
俯くその顔を覗き込むと、端正な顔立ちの綺麗な女性が
真剣な眼差しで何かを探していた。
雨が強くなってきた。
そして立ち上がる。
女性を避難場所まで送り届け、仲間たちのもとへ急ぐ。
その時、耳につけた通信機器からテツの声が聞こえた。
丁度原っぱに差し掛かった時、正面から木をなぎ倒して
大型のKOZAKA-Cが突っ込んできた。
去っていく仲間の背に大きく手を振る。
思ったより、いや、とんでもなく早く見つかった。
いつの間にか止んだ雨のお陰でキラリと光る露が乗った
綺麗な四つ葉のクローバー。
急がなければ、彼女が帰ってしまう。
そう思い、立ち上がり、振り返ると
探していた彼女が原っぱまで戻って来ていた。
彼女の右手を取り、手のひらに四つ葉を乗せる。
手のひらに乗ったクローバーを見つめ、頬を染めるしぐさに
胸がギュンッ、と締め付けられるような感覚を覚えた。
話を聞いてみると、彼女には年の離れたお姉さんがいて、
その子供、すなわち姪が生粋のヒーロー好きとのこと。
その影響で、彼女もヒーローが映るニュースや特集を
観ることが多いそう。
と、そこまで言ったところで、ふと思いついた。
ガサゴソとカバンから取り出されたスマホ。
その角からぶら下がったキーホルダーのデザインが、
変身デバイス…さらに言うと“俺の”変身デバイスの香水に
酷似している事を俺が見逃すはずがなかった。
俺が指差した方向に彼女の視線が移動していき、それに
たどり着き、目が見開かれるにつれて、俺の口角がどんどん
上がっていく。
姪っ子ちゃんへのサプライズの後、あなたの名前(女子)ちゃんとお付き合い
することになったのはまた別の話。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。