会合の前の日、周りはもう既に暗くなっており、人が出歩いているのも少なくなってきた頃。
唄は東京の郊外にある廃墟へと足を運んでいた。
まるでお化け屋敷のような、明らかに異様な気配を漏らしている廃墟。壁や窓は蔦に覆われ、ドアノブも赤黒く錆びている。
そう。明らかに異様な気配を漏らしているこの廃墟は元々地球防衛軍の本部として建っていた物なのだ。
かすかに今の本部とは造形が似ている所がある。
扉を開け中に入ると、埃が漂っているのを感じる。玄関らしき場所には受付をしていたと思われるカウンターが当時の状態そのままに置かれていた。
唄は手に持っていたケースを置き、一息つく。
そして、瞬く間に建物全体にオーラを張り巡らせる。
唄がそう呟くと、建物全体が生気を取り戻す様に隅々まで綺麗になる。
電気が付き、先程まで漂っていたホコリが消えた。過去の姿を取り戻したかと錯覚するほど、綺麗になっている。
木目調の美しい床、壁。きめ細かい木々の香りが蘇る。その昔ながらの様子は自然を感じさせた。
唄はフロントの扉を開け、中へ進むと、広い廊下に枝分かれしている上へ行く階段が目に入る。
横に目を移すと、広い廊下の壁には複数のドアがあり、そこを見ると「会議室」と書いてあるものがあった。
唄はドアノブを捻り、部屋の中を除く。
会議室の中には大きな木製の机と横繋ぎになっている椅子。どれもこれも年季が入っていそうなものばかりだった。
少しばかり時が経った…
唄は一通り会議室の内装を確認すると、再びフロントへ戻ってくる。
唄は付いている電気を消し、外に出る。
最初に入ってから約1時間程であろうか。入った時より一層、暗さに深みが出ているのに加え、月の光も強くなっている。
そして時は翌日の朝…
𝐍𝐞𝐱𝐭 … 「会合開始」













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。