ー回想ーレイリン視点ー
私は、今ファル君とシェインとで今後どうするかについて話し合っている。
まだ、シオにも会えてない。エテルに再会することも出来ていない。だけど、、、。何かを得るためには何かを犠牲にしないといけない。それが自然の摂理だ。
権利者、、、ミールは許してくれるだろうか。答えは直ぐに出た。
ミール様は帝園の才能全てを集めても叶わない究極の存在。私1人で勝てるわけがない。いや、一つだけ、、、ある。
シェインが無邪気な目でこちらを見てくる。駄目だ、あの技は、、、。ロイド官長と戦った後に封印しているのだから。
ロイド官長の苦痛の目、、、。あんな姿、もう見たくない。
シェインの顔が青ざめる。だが、それと同時にミールに確実にこの技が効くと思った。
ミールの一番恐れていること。「パトに嫌われること」これを幻覚として見せれば、少なくともミールとメリアは確実に堕とせる。
後は記憶を改竄して、「私を帝園の従属から外せば、パトに嫌われない」的な感じで洗脳をすれば、おそらくできるだろう。
弱い私には、こんな卑怯な方法しか出来ないのか、、、。リートが見たら、「フェアじゃない」って、怒られるだろうな、、、。
私は覚えている。ハイパーサイメシア以前に、シオとの記憶は忘れない。絶対に。目を閉じて、シオの顔を思い浮かべる。すらすらと答えが口から出て来る。
そうだ、私はファル君と最初に会った時、「シオみたい」と思った。その理由は、、、。
その夜、私は原点回想の封印を解いてみた。そして、あの悪夢を見た。やっぱり、原点回想はダメだ。誰かを傷つけてまで得る幸せは、幸せじゃない。
虚幻支配で、ミール達を足止めする。それだけじゃあ逃げているだけで決定打に欠ける。本命は、その間に作っている大技。それは、、、
シン視点
さっきからハズレの繰り返し。どんなにレイリンを見つけて倒しても、全部マリオネット。ミール様は凄く焦っている。しかも、それぞれの偽物の個体にレイリンの友人が護衛をしている。
ベル、フラ、ルナ、リル、、、。護衛を傷つけないように倒すのにはそれなりに時間がかかる。
いつもみんなに恐れられるミール様も、中身は子供そのもの。でも、ミール様に足りないものは、私達で補えばいいのだ。これまでも、これからも。
さっきまでは焦ってばかりのミール様も、段々と落ち着きを取り戻した。今までこんなこと、あまり無かったのに。良い兆しね。よくも悪くも、レイリンのお陰かしら。
さて、私達はレイリンが何処にいるかを考察して割り出すとしましょうか。
かなり多い。ただ好感度を上げるためだけに五光帝連合の素質を混ぜたって聞いたけれど、ここに影響していたのね。
七帝の心、ウル。絶無の究極系。敵の攻撃や守備は勿論のこと、相手の存在から相手の背景にある経験や歴史全てを無に帰す能力者。また、それらを改竄してしまうこともできる。それは、相手の種族をも変える、、、。まさか。
レイリンはネルに連れてこられてパトの元へ行った。その後メリアと共に帝園に来て直ぐに会議をした。そこでレイリンが抵抗して逃亡して今に至る。
抵抗する前にカトラナ達とレイリンが接触する時間は無かった。つまり、、、。
最近まで、現実世界と帝園を行き来していた人、、、。そういえば、ミーエルと不正契約した時にネルがやけに時間をかけていたような、、、。
ー回想ーレイリン視点ーネルと話していた時ー
そう言った時、ネルは私に聞いてきた。
ミールに逆らうことは帝園の反逆者とほぼ同義であろう。
私は、好奇心が最大の原動力。それだけで、色んなことを調べて、今までやってきた。この胸の高鳴りは、誰にも止められない。それに、、、ファル君とずっと一緒にいれるなら、私は躊躇はしない。
ネルは私の背中をバン!と叩くと私の耳元で囁いた。
春を待つ、小さな少女、、、。ネルは私の瞳を見て、問いかける。
ネルが、少し弱々しい顔になって、聞く。
多分、ネルもミールと同じだろう。パトを待っていた、恋に染まる少女の1人。だからこそ、私に協力してくれた。全然おかしなことじゃない。
世の中には、はっちゃけた天使族も、オヤジギャグで笑う機械族も、なんだって居る。それらの個性を否定する理由は私はもっていない。
ネルが私の肩をポンと叩いてから、私に手を差し出す。そして、私はその手を取った。
ー全園の不可侵領域ー
私の神生最後の結末の、ね。


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。