第199話

第百四十七頁 歓喜の挑戦
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2023/07/06 22:00 更新
ー回想ーレイリン視点ー
 私は、今ファル君とシェインとで今後どうするかについて話し合っている。
シェイン・ヴァイス
シェイン・ヴァイス
レイリンは、これからどうしたいの?
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
帝園を、抜けることにしたいの。
 まだ、シオにも会えてない。エテルに再会することも出来ていない。だけど、、、。何かを得るためには何かを犠牲にしないといけない。それが自然の摂理だ。
ファルドラ・ニートロフ
ファルドラ・ニートロフ
なるほど。それなら権利者の承諾とかが必要だよね。
 権利者、、、ミールは許してくれるだろうか。答えは直ぐに出た。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
無理だよ、、、。あのミール様に私が認められるほどの物を持ってるとは思えないよ。
 ミール様は帝園の才能全てを集めても叶わない究極の存在。私1人で勝てるわけがない。いや、一つだけ、、、ある。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
原点回想、、、。
シェイン・ヴァイス
シェイン・ヴァイス
何それ?
ファルドラ・ニートロフ
ファルドラ・ニートロフ
レイリンが、ロイド官長との模擬戦で使った技。唯一、どんな格上にもダメージを与えることの出来る技。
シェイン・ヴァイス
シェイン・ヴァイス
へえ、それなら勝てるんだ!!
 シェインが無邪気な目でこちらを見てくる。駄目だ、あの技は、、、。ロイド官長と戦った後に封印しているのだから。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
、、、原点回想は、相手のトラウマを蘇らせたり、相手の記憶を改竄してトラウマを植え付ける禁断の技。
 ロイド官長の苦痛の目、、、。あんな姿、もう見たくない。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
例えば、シェインだったら反物質事件の記憶を想起させることも出来るし、ファル君なら誰もファル君のことを信じてくれない幻覚を見せることも出来る。
シェイン・ヴァイス
シェイン・ヴァイス
、、、ッッ。
 シェインの顔が青ざめる。だが、それと同時にミールに確実にこの技が効くと思った。
 ミールの一番恐れていること。「パトに嫌われること」これを幻覚として見せれば、少なくともミールとメリアは確実に堕とせる。

 後は記憶を改竄して、「私を帝園の従属から外せば、パトに嫌われない」的な感じで洗脳をすれば、おそらくできるだろう。
シェイン・ヴァイス
シェイン・ヴァイス
、、、他に方法は無いの?
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
今のところ、確実性があるのはこれくらい、、、。
 弱い私には、こんな卑怯な方法しか出来ないのか、、、。リートが見たら、「フェアじゃない」って、怒られるだろうな、、、。
ファルドラ・ニートロフ
ファルドラ・ニートロフ
、、、シェイン、言ってたよね。三人寄れば文殊の知恵って。
シェイン・ヴァイス
シェイン・ヴァイス
うん。
ファルドラ・ニートロフ
ファルドラ・ニートロフ
レイリン。レイリンの好きな、シオって人の能力って何だっけ?
 私は覚えている。ハイパーサイメシア以前に、シオとの記憶は忘れない。絶対に。目を閉じて、シオの顔を思い浮かべる。すらすらと答えが口から出て来る。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
幻想支配。起こった出来事を幻にして無かったことにしたり、人に幻を見せたり、現実ではあり得ないことを描いてみせたり、幻の境界線をも決めることの出来る能力。
シェイン・ヴァイス
シェイン・ヴァイス
なるほど、、、。ファル君の言いたいことが分かったよ。なんか、虚構と似てるね。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
え?
 そうだ、私はファル君と最初に会った時、「シオみたい」と思った。その理由は、、、。
ファルドラ・ニートロフ
ファルドラ・ニートロフ
嘘で惑わす幻。虚構支配と幻想支配の合わせ技なら、帝園の能力でも、現実世界の能力でもない唯一無二。
ファルドラ・ニートロフ
ファルドラ・ニートロフ
決定打には欠けるけれど、どうかな?
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
なるほど、、、。不可能じゃない。
シェイン・ヴァイス
シェイン・ヴァイス
ふむふむ、、、。
ファルドラ・ニートロフ
ファルドラ・ニートロフ
能力名は、虚言とかけて虚幻支配とかどう?
シェイン・ヴァイス
シェイン・ヴァイス
いや何でファル君が名前決めてるの?
 その夜、私は原点回想の封印を解いてみた。そして、あの悪夢を見た。やっぱり、原点回想はダメだ。誰かを傷つけてまで得る幸せは、幸せじゃない。
 虚幻支配で、ミール達を足止めする。それだけじゃあ逃げているだけで決定打に欠ける。本命は、その間に作っている大技。それは、、、
シン視点
 さっきからハズレの繰り返し。どんなにレイリンを見つけて倒しても、全部マリオネット。ミール様は凄く焦っている。しかも、それぞれの偽物の個体にレイリンの友人が護衛をしている。

 ベル、フラ、ルナ、リル、、、。護衛を傷つけないように倒すのにはそれなりに時間がかかる。

 いつもみんなに恐れられるミール様も、中身は子供そのもの。でも、ミール様に足りないものは、私達で補えばいいのだ。これまでも、これからも。
ミール
またハズレ、、、。またハズレ、、、。
ミール
違う、違う違う!!
ミール
落ち着け。私。もう一回、、、。
 さっきまでは焦ってばかりのミール様も、段々と落ち着きを取り戻した。今までこんなこと、あまり無かったのに。良い兆しね。よくも悪くも、レイリンのお陰かしら。

 さて、私達はレイリンが何処にいるかを考察して割り出すとしましょうか。
シン
シン
メリア、レイリンの能力を教えて下さい。
メリア・メルトリア
メリア・メルトリア
原始支配、電脳支配、精霊王、ハイパーサイメシア、無尽蔵の器、天帝の宝物庫、五感鋭覚、そして叡天の眼です。
 かなり多い。ただ好感度を上げるためだけに五光帝連合の素質を混ぜたって聞いたけれど、ここに影響していたのね。
ティエル
ティエル
原始支配って、結構珍しいわね。
シン
シン
ええ。帝園でも居るのはウルくらいですしね。
 七帝の心、ウル。絶無の究極系。敵の攻撃や守備は勿論のこと、相手の存在から相手の背景にある経験や歴史全てを無に帰す能力者。また、それらを改竄してしまうこともできる。それは、相手の種族をも変える、、、。まさか。
メリア・メルトリア
メリア・メルトリア
シン?どうしたの?
シン
シン
、、、さっきからおかしいと思ってたんですよ。
 レイリンはネルに連れてこられてパトの元へ行った。その後メリアと共に帝園に来て直ぐに会議をした。そこでレイリンが抵抗して逃亡して今に至る。

 抵抗する前にカトラナ達とレイリンが接触する時間は無かった。つまり、、、。
シン
シン
レイリンと、カトラナ達を繋いでいた協力者がいる。
 最近まで、現実世界と帝園を行き来していた人、、、。そういえば、ミーエルと不正契約した時にネルがやけに時間をかけていたような、、、。
シン
シン
やってくれましたね、ネル、、、。
ー回想ーレイリン視点ーネルと話していた時ー
ネル
ネル
良い話を聞かせてもらった。私たちは全面的にお前に協力する。作戦の共有と指示は私に任せろ。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
ありがとう、ございます!
 そう言った時、ネルは私に聞いてきた。
ネル
ネル
お前は、怖くないのか?
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
何がですか、、、?
ネル
ネル
あのミールに逆らうんだぞ?帝園最強の女神だぞ?
 ミールに逆らうことは帝園の反逆者とほぼ同義であろう。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
確かに、ちょっと怖い。だけど、それ以上に、、、。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
楽しいんだ。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
私、今凄いドキドキワクワクしてるの。感情が溢れてきてる。あのミール様に逆らうなんて、どうなるか分からない。それすらも、気になる、知りたい、楽しい!
 私は、好奇心が最大の原動力。それだけで、色んなことを調べて、今までやってきた。この胸の高鳴りは、誰にも止められない。それに、、、ファル君とずっと一緒にいれるなら、私は躊躇はしない。
ネル
ネル
はは、流石【歓喜】の機械族だな。
ネル
ネル
気に入った!最後に良いことを教えてやろう。
 ネルは私の背中をバン!と叩くと私の耳元で囁いた。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
、、、?
ネル
ネル
ミールは、誰よりも強く、気高い存在だと思われているのが帝園の従属の見解だ。
ネル
ネル
だが、心の底では誰よりも主様のことを待ち望んでいた、春を待つ小さな花ような恋する少女だったんだよ。
 春を待つ、小さな少女、、、。ネルは私の瞳を見て、問いかける。
ネル
ネル
お前にも、誰か愛する人が居るんだろう?
ネル
ネル
だから、あいつも、お前も、みんなが幸せになる道がある、、、と、私は信じている。
 ネルが、少し弱々しい顔になって、聞く。
ネル
ネル
暴帝と呼ばれる私がこんなことを言うのはおかしいか?
 多分、ネルもミールと同じだろう。パトを待っていた、恋に染まる少女の1人。だからこそ、私に協力してくれた。全然おかしなことじゃない。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
全然。
 世の中には、はっちゃけた天使族も、オヤジギャグで笑う機械族も、なんだって居る。それらの個性を否定する理由は私はもっていない。
ネル
ネル
そうか、、、。ありがとう。それが聞けたら十分だ。
ネル
ネル
進め、レイリン。自分の信じる道へ。
 ネルが私の肩をポンと叩いてから、私に手を差し出す。そして、私はその手を取った。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
はい!!
ー全園の不可侵領域ー
ミール
見つけましたよ、レイリン。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
ありゃりゃ、見つかっちゃったかぁ、、、。
レイリン・クロシェット
レイリン・クロシェット
でも、もう準備はできたんだ。
 私の神生最後の結末の、ね。

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