第13話

page13.両思い#3【番外編最終回】
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2023/08/22 12:07
L
L
あなたさん、こんにちは。
(なまえ)
あなた
えと…!こんにちは!
L
L
早速ですが、行きましょうか。
そう言って、流河くんの背中について行く。
カフェを出ると、そこには信じられないものが。
(なまえ)
あなた
え…この車…
L
L
どうかしましたか。
そう言って流河くんは私の顔をのぞき込む。
車の名前こそ忘れてしまったが、凄く高級車だ。
車体は黒色に輝いていて、鏡のように周りの建物などを反射して映し出す。

私が呆然としていると、中から老紳士が出てきた。
ワタリ
ワタリ
さあ、お乗り下さい。
どうやら私に向けて言っているようだった。
困惑していたが、流河くんに後で説明をしますと言われ、流河くんと2人で乗り込んだ。
             移動中
L
L
説明が遅れましたね、すみません。
今車を運転してくれている彼はワタリといいます。私の保護者的立ち位置の人だと思ってください。
流河くんから一通り説明を受け、ワタリさんの存在について知った。
保護者的立ち位置とはなんだろう、と思ったが、あえて聞くのはやめておくことにした。
L
L
もうすぐ着きます。
(なまえ)
あなた
楽しみ…!
                到着
車から降り、私が目にしたのはタワマン…ではなく明らかに高級そうなホテル。私は不思議に思い、流河くんに尋ねる。
(なまえ)
あなた
ここって…高級ホテル…?
L
L
ああ…。詳しい理由はお話しできないのですが…訳あって、今はワタリと2人でここに住んでいるんです。
(なまえ)
あなた
なるほど……?
住むって、高級ホテルなのに?!とも思ったが、きっと相当なお金持ちなのだろう。さっきも理由は言えないと言っていたし、間違いなく普通の大学生ではないと、なんとなく察した。
L
L
では、行きましょうか。
(なまえ)
あなた
うん!よろしくお願いします!
      Lとワタリの住んでいる部屋
(なまえ)
あなた
お邪魔します…
L
L
どうぞ。
広めの玄関に、奥には革張りのソファが置いてあるのが見える。若干入るのを躊躇うが、せっかく招待してもらったので、上がらせてもらう。
ワタリ
ワタリ
お茶とお菓子をお持ちします。
そう言って、ワタリさんは恐らくキッチンへと向かっていった。なにか手伝おうかとも思ったが、そんなことを言う隙もなく、ワタリさんは行ってしまった。
そして、私は気になっていた事を流河くんに問う。
(なまえ)
あなた
えっと…流河くん…
L
L
はい、何でしょう。
(なまえ)
あなた
今日…なんで私を誘ってくれたの…?
L
L
……
私がそう問うと、流河くんは少しだけ固まって、答えてくれた。
L
L
そうですね…特に理由は無いのですが…
そう言いかけると、ワタリさんが紅茶2杯とロールケーキ2人分を持ってきてくれた。
ワタリ
ワタリ
お茶とお菓子です。
どうぞ、ごゆっくり。
(なまえ)
あなた
ありがとうございます!
私がワタリさんにお礼を告げると、ワタリさんは私に温かな笑顔を向けて、リビングの方へと戻って行った。
(なまえ)
あなた
流河くん、ロールケーキ、用意してくれてありがとう!
L
L
いえ。別にそれくらい、いつでもご用意できますよ。
(なまえ)
あなた
やっぱり流河くんすごいね…!
L
L
それほどでも。
さっきから私はこんな風に平然を装って会話をしているけれど、本当は凄く焦っている。
流河くんと2人でお茶会、、なんて考えていると、みるみるうちに顔が赤くなってしまう。
(なまえ)
あなた
(やばい…私、今絶対顔赤くなっちゃってる…)
そう思い、両手で顔を覆い隠す。
すると、流河くんが心配の言葉をかけてくれた。
L
L
あなたさん?
大丈夫ですか。
(なまえ)
あなた
あ…えっと…
L
L
顔が真っ赤です。
流河くんにその事を言われ、更に答えられなくなる。
すると、流河くんは急にロールケーキを食べている手を止めて、こちらに向かってくる。
(なまえ)
あなた
り、流河くん…?
L
L
……。
すると、流河くんは私の前でピタリと止まり、私の心臓のある位置に手を触れてきた。
(なまえ)
あなた
(え?!流河くんがこんな近くに!?しかも私に触れて…!)
なにか喋ろうと頭の中で脳をフル回転させていると、急に流河くんが喋りだした。
L
L
あなたさん。
(なまえ)
あなた
はっ、はいっ!
思わず敬語になってしまう。
そして次に流河くんから発せられた言葉は、衝撃的だった。
L
L
貴方、私の事好きでしょう。
(なまえ)
あなた
?!
バレてしまった。
「終わり」
これだけが、この言葉だけが頭に響く。
下手に嘘をついてもダメだろう。私と流河くんの関係はもうこれで終わってしまうのか。正直に私が好きと言ったら嫌われてしまわないだろうか。
L
L
嘘をついても無駄ですよ。
心拍数上がってます。
そう言って流河くんは少し悪戯げに微笑む。
(なまえ)
あなた
(嫌われてない…?むしろ…)
嫌われているのではと思ったが、流河くんの態度を見る限り、違いそうだ。
L
L
どうなんですか。
(なまえ)
あなた
(正直に言うしかない…)
(なまえ)
あなた
り、流河くん、私大学の入学式の時から、
(なまえ)
あなた
ずっと好きでした……!
私がそう言い放った瞬間、甘い香りと共に唇に柔らかい感触がした。
(なまえ)
あなた
ん……?!
何が起きたのか理解するのに、そう時間はかからなかった。柔らかい感触が唇から離れると、流河くんはこう言った。
L
L
ありがとうございます。
私も好きです。
(なまえ)
あなた
え……?
(なまえ)
あなた
今なんて…
あまりの衝撃で、再度聞き直す。
L
L
ですから、私も好きです。
(なまえ)
あなた
え…ええええ!!
(なまえ)
あなた
りゅ、流河くんが私を…?!
L
L
はい、実はあなたさんが私に好意を寄せているのは知っていました。
(なまえ)
あなた
うっそ?!
L
L
本当です。
そして、今日誘った理由。まだ話せていませんでしたね。
(なまえ)
あなた
そうだった!!
L
L
今日あなたさんを誘ったのは、告白のためです。
L
L
私は大学で過ごしている時、あなたさんと話している内にあなたさんがとても良い人だと気づきました。
(なまえ)
あなた
そ、そうかなぁ……
L
L
はい。
それで、気づいたら好きになっていました。私は恋というものを初めてしました。至らない部分も多いかと思いますが、これからは恋人としてよろしくお願いします。
(なまえ)
あなた
こちらこそよろしくお願いし…って!なんか付き合うことになってる?!
L
L
何か問題でも?
(なまえ)
あなた
そうじゃないけど…!
L
L
ならいいですね。恋人になった証に、もう一度キスしましょう。
(なまえ)
あなた
あ……
今の話で完全にすっ飛んでいたけど、そういえば私は流河くんにキスをされていたのだった。
キスされた事を思い出し、また顔が赤くなる。
L
L
その様子だと…私にキスされた事、忘れてましたね。
(なまえ)
あなた
う…ん…
L
L
やっぱりですか。
まぁいいです、忘れたならもう一度思い出させるまでですので。
(なまえ)
あなた
ん……
そう言った瞬間、流河くんの唇で私の口を塞がれる。
            3時間後
今は帰宅して、大学の準備をしているところだ。
あの後何があったかと言うと、流河くんから色々秘密を聞いた。もちろん、なにがあっても周りには決して言わぬように言われている。
色々と言っても、
流河旱樹は偽名
実は探偵で、ワタリさんは仕事のパートナー
という事ぐらいなのだが、それでも私にとっては凄く驚く事だった。それともう一つ、これからは流河くんではなくプライベートの時はLと呼んで欲しいとの事。
(なまえ)
あなた
(今日は驚く事がいっぱいの1日だったなぁ……)
私は未だに夢ではないのかと疑っている。
Lと恋人になれたことも。
思い出すだけで頭がクラクラする。
(なまえ)
あなた
(次に会うのが楽しみ…!)
私はまだ彼のことを全然知らないだろう。
だから、これからは恋人としての彼の事をもっとたくさん知っていきたい。
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ここまでお読み頂き、ありがとうございます!
これにて番外編最終回、終わりです!
タイトル、無事に結ばれたので、両思いにしてみました…!ちなみに、番外編はこれからもたまーに書いていこうかなって思ってます!!

次回からは本編に戻ります!それではお楽しみに!

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