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第8話

『海』
1,198
2024/05/26 09:46 更新
加賀美ハヤト
剣持さんこそどうしたんですか?
剣持刀也
僕は…
加賀美ハヤト
分かりました、話したくなったら話してください

不破さんがキスしたって言ったのは本当だったんだな
剣持刀也
あの、明日海に行ったあと夏祭りに行きませんか?
加賀美ハヤト
剣持刀也
なんで鳩が豆鉄砲を食ったような顔になってるんですか
加賀美ハヤト
いや、その深い意味はないんですけど
剣持刀也
嫌、ですか?僕と夏祭りに行くの
加賀美ハヤト
いえ全く、ただ私から誘おうと思っていたので剣持さんから言われて驚いただけなんです
剣持刀也
そうだったんですか?じゃあ先に言えてよかったです
剣持刀也
あんな社長の顔なんて滅多に拝めないですからね
そう言うと彼は無邪気に笑った

きっといつも大人びているけどこういう年相応な瞬間が垣間見える彼に私は惚れたのだろう
剣持刀也
じゃあ、楽しみにしててくださいね!
そう言い彼はホテルへと走っていった
加賀美ハヤト
いや、だから同じ部屋に帰るのでそれをするとカッコつかないんですってば
でも、そんなところも可愛いと思ってしまうのが恋なんだろう





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この日はそのまま帰り、一夜が過ぎた



甲斐田晴
朝だあああ!!!!
甲斐田晴
甲斐田がぜん かいだ!!!!
加賀美ハヤト
さむ…こっちが風邪引きますよ
剣持刀也
まあ、甲斐田くんはうるさくてなんぼですからね
甲斐田晴
とか言ってもちさん昨日ずっと俺の手を握ってくれてたくせに〜
剣持刀也
……ぇ?
甲斐田晴
もお、照れて言葉も出ないんですか?
剣持刀也
それ、僕じゃないですよ…?
甲斐田晴
え ?
甲斐田晴
じゃ、じゃあアニキが
不破湊
俺じゃないって
甲斐田晴
社長でしょ…!やっぱ社長は優しいなぁー、
加賀美ハヤト
すみません、ほんっとに私じゃないです
数秒の沈黙の後僕は口を開いた
剣持刀也
ほ、ほら拍手が響いたら幽霊はいないって言いますし試してみましょうよ
渋々甲斐田くんが拍手をすると驚く程に部屋は静まり返り音が反響する気配は全くしなかった
甲斐田晴
もちさん、俺死ぬんですかね、
剣持刀也
甲斐田晴
ちょ、酷くないですか!?
剣持刀也
ごめんごめん笑


昨日あんなことがあったのにこんなに普通に接することが出来るなんて思ってもなかった
甲斐田くんは覚えているのかな……
加賀美ハヤト
皆さん、そろそろ用意しないと海で長く遊べませんよ




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加賀美side
不破湊
海だーーーー!!!!!!
甲斐田晴
アニキ今日の昼ご飯あっちの海岸までの泳ぎで奢りを決めるのはどうですか?
不破湊
おっしゃ、負けねーぞ

剣持刀也
相変わらず男子中学生みたいなバカやってる
加賀美ハヤト
剣持さんは泳ぎに行かなくていいんですか?
剣持刀也
僕はあまり泳ぐのが得意じゃないのでおおきい浮き輪の上でバカンスでもしてます
剣持刀也
あ、見てください!社長にはこのロボの浮き輪もあるんですよ
剣持刀也
これふわっちと一緒に選んで買ったんですよ、〜〜〜
ここ数年は自分の気持ちを抑えることなんて容易にできていたのに、剣持さんが他の人の名前を出し楽しそうに笑っているところを見ると

どうしようもなく胸が締め付けられるように苦しい

ああ、本当に「好き」という感情は自覚すればするほど自分を嫌いになる

『欲をすべて出していいのなら

剣持さんの玻璃玉のような目に他の男を入れたくない

私だけの剣持さんでいて欲しい』

そんな汚いエゴイズムばかり溢れて自分が醜く思える

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