第9話

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2026/04/05 04:28 更新
部屋の空気は、いつもより重い。


間接照明だけが、2人の影を長く落としている。
伊野尾慧
伊野尾慧
…今日も…静かだね…?
山田涼介
山田涼介
…だな
言葉少なに座る2人。


でも、いつもとは違う、張り詰めた空気が流れる。
伊野尾慧
伊野尾慧
…手…触れそうだね?
山田涼介
山田涼介
…え?
視線を落とすと、ソファの肘置きで
自然に近づいた手先が、少し触れそうになっている。
伊野尾慧
伊野尾慧
…ほら
軽く指を動かすその距離感。


触れるか触れないかの境界線。
山田涼介
山田涼介
💭 やっぱ…こいつ…
理性では離れるべき距離。


でも、心は自然に近づいていく。
山田涼介
山田涼介
…触れるぞ?
伊野尾慧
伊野尾慧
…うん
言葉のやり取りもなく、互いの心が確認し合う。


山田は、ゆっくり手を伸ばす。

その瞬間、伊野尾の呼吸が少し早くなるのが分かる。
山田涼介
山田涼介
…いいの?
伊野尾慧
伊野尾慧
…やめられない
視線が合う。


強がっているようで、少しだけ弱さが見える。
山田涼介
山田涼介
…俺も離せない
2人は、軽く触れるだけだが、確かに温度が伝わる。
伊野尾慧
伊野尾慧
変だな…俺…w
こんなに動揺して…
山田涼介
山田涼介
…俺も
心臓が早くなる。


声に出すと、嘘になるかもしれない。


沈黙の中で互いを感じるだけで、全てが伝わる。
伊野尾慧
伊野尾慧
もっと…近くに来いよ
山田涼介
山田涼介
…え?
伊野尾の目は、遊び心と真剣さが混ざっている。


誘いでも、試しでもなく、ただ、自分の心の正直さ。
山田涼介
山田涼介
💭 これは…ダメだ…///
でも、理性だけでは止められない。

ゆっくりと距離を詰め、
肩が触れ、
腕が触れる。


小さな接触だけで、胸の奥が熱くなる。
伊野尾慧
伊野尾慧
…意外と…素直じゃん?
山田涼介
山田涼介
伊野尾ちゃんに
言われたくない
その距離で、笑いながら目をそらす。


でも、その笑顔が、心をさらに揺さぶる。
伊野尾慧
伊野尾慧
…ほんとに変な関係
山田涼介
山田涼介
…分かってる
互いに認めながら、触れ合う距離にいる。


まだ完全に踏み込んだわけじゃないけど、
明確な境界線を越えた夜。

夜の静寂が、2人の鼓動を増幅させる。
——この夜、2人の関係は確実に動き始めた。

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