lk said
俺はトラックに撥ねられた後、
記憶の痕跡を辿る夢へと引きずり込まれた。
目の前には両親が仲睦まじく歩いている。
確か...中学1年生の時だ。
ただ俺は普通の日常を送っていただけだった。
ある日ドライブに行こうと言われ、
車で約5時間。ついたのは明らかに治安の悪そうな
街だった。
おんまが今まで見たことない笑顔を作りながら
ボソッと言った言葉が少し引っかかったが
見てみぬふりをした。
そして両親は一件の家...
いや家と言ってもいいのかわからないほど
臭くて、汚かった所に入っていった。
俺も両親の後を追いその家に入った。
するといきなり後ろから抑え込まれた。
ベラベラと解放されただの、大金が手に入るなど
人間とは思えないほどの軽さで俺を売ろうとしている両親。
俺は命の危機を感じたからなのか、
両親に、そしてこんな場所があるこの世に腹が立ったのかわからないが
俺の中でプツン、と何かが切れた。
__気づくと俺はその場にいる人間すべてを◯していた。
この量の人間を自分の手で◯めてしまったと思うと
ゾッと背筋に鳥肌が立った。
本能的にここを離れたほうがいい気がして
俺はその家から飛び出て返り血がべっとりとついている
上着を脱ぎ捨て全速力で走った。
俺は走った。何日も何日も。
一人で何も食わず、たまに泥水でも雨水でも啜りながら走った。
不思議と、両親を◯めてしまった後悔はなかった。
ある日街に出た。
待ちゆく人の財布をすり、
何円か拝借した後、親切に返してやった。
その金で新しい服と食べ物を買った。
そして街を何日かぶらついていると
ここが釜山の港町であることが判明し、
俺が重要指名手配犯であることも発覚した。
その事実は信じがたくて、
いや信じたくなくて。
こんな事になってしまったけどあの時の俺はまだ中学生なわけで、まだ若かった。
ぼーっと重要指名手配犯のポスターを眺めていると
遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえた。
俺を迎えに来たんだ。
逃げようか逃げまいか迷っていたとき、
路地から手がぬっと出てきて俺を路地に引きずり込んだ。
その手を振り払い防御態勢に入る。
そこには銀髪でいかにもやさぐれてそうな狼のような奴がいた。
そう言うとその狼みたいなやつは俺を担ぎ上げて
空高くに飛び上がった。
釜山の海と港が夕焼けで紅く染まり輝いている。
気づかなかった。
数日はここで過ごしてるのに...
思わず心の声が漏れる。
その言葉を聞くと狼はふっと笑って
こう僕に言った。
そうしてバンチャンはスタッと屋根の上に飛び乗り、
釜山の海を愛おしそうに眺めた。
その時俺はこの人なら信用できる。
このひとは俺を売らない。と直感した。
そして同時に
そう思った。
もう身よりもいない。
家も、財産も、親も全てなくなってしまった俺は
バンチャン、この人に出会って救われた。
その後俺は徹底的に自分を鍛え、学び
ヒョンに仕える身となった。
そしてヒョンは”stray kids”という殺し屋連盟を立ち上げ
ボスと呼ばれるようになった。
孤児を引き取って殺し屋に育て上げ
今となっては業界トップだ。
そして俺は殺し屋になった。
俺がなぜ狂わされたのか今になって気づいた。
スンミナの目には”邪悪”がない。
誰しも心に醜いところがある。
俺もある。
俺はこの業界で働いてきたから
大体瞳を見るだけで見ることができるが
初めてあった日、スンミナの目には
ピュアそのものが宿っていた。
だんだんと視界が明るくなる。
起きる時間か....。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。