あてんしょん!
・ややR15。グロいです。
・地雷だと思ったら逃げて下さい。もう一度言います。グロいです。
目の前には棺桶が一つ。
お座敷に全く似合わない程真っ白の、棺桶。
周りには泣き崩れる弦月と、片手で目頭を抑えて口元を歪ませる長尾の姿があった。
外は夕焼けに近く、夜の気配すら感じる。
...一歩一歩前に進むと、自らの影がその恐ろしいくらいに白い棺に落とされる。
純粋無垢を装った箱の中を開けると、1人の女性がそこに横たわっていた。
寝ているかの様な、綺麗な表情。
まだ死化粧も施されていないその頬に自らの左手を添える。
...冷たさが手を伝い、心臓にまで這ってやって来た。
無意識に唇の裏側を噛みちぎった。
血が口の中を支配していく。
何故かは分からない。それくらい、動揺していた。
口の中を切った痛みなのか、はたまたこの状況についての異常現象なのか、酷く心が痛い。心臓が痛い。
...時間がやけにゆっくり流れている様に感じる。
秒針は正確に音を鳴らして時を刻んでいるのに、この部屋だけが、自分と目の前に横たわっている彼女だけが、
他の人とは違う次元にいて一緒に時が止まっているのでは無いかと錯覚してしまうくらいには不思議な感覚だった。
...膝の力が落ちていくのを感じる。
嗚呼、終わってしまったのだ。この人の人生は。
まだ、僕との約束を果たさないまま、死んでしまったのだ。
「嘘だ」
口から零れたその言葉が、床の上に落ちる。
その途端、弦月がその場にへたりと座り込んだのを感じた。
後ろで ぱたっ と音がしたのだ。その音は軽くて、そして淡白なものだった。
「...嘘じゃない、ッ僕がっ!僕があなたの下の名前ちゃんをッ!」
嗚咽混じりの叫びが部屋中に響き渡る。
──僕が悪い。
──僕の不注意で。
──ごめん、晴くん。
嗚咽と鼻濁音が入り交じっている言葉の中で、その単語だけが耳の中に残っていた。
一気に畳と自分の顔の距離が縮まるのを感じた時、初めて自分がその場に座り込んでしまった事に気づく。
何も感じない。
ただ、ひたすらにこの事実が受け入れられない。
何なのだろうかこの気持ちは。体験したことの無い空虚。
「死んだんだ。はは、死んじゃったんだ」
棺桶しか見つめることの出来ないまま、涙を流すことすら出来ないまま、そこに座り込んでしまった。
「...言っとくが、事故だった。」
次に口を開いたのは長尾だった。
長尾だけがこの場でただ一人正気だった。
狂ってしまうのを耐えているのか、はたまたもう既に狂っていてそれをひた隠しているだけなのか分からないが、
兎に角長尾だけがこの場で唯一冷静だった。
「弦月のせいでも無い。
...本来討伐予定だった魔の他に、もう一体強力な個体が出現したんだ。
未確認の、大方変異種だろうと祓魔師では結論づけてる。」
───そうなんだ としか感じられなかった。
「僕ッ守れなかった...!傍にいたのに!守れるのは僕だけだったのにッ!
...ごめん、ッごめん晴くん...」
───絶対に、弦月のせいでは無い。それだけは言える。
恨むべきは変異種と、そんな化け物に巡り合ったあなたの下の名前の運命だ。
人にはいつか死ぬ時がある。彼女...あなたの下の名前の場合、それがたまたま"ここ"だっただけ。
祓魔師としても退魔研究者としても名を馳せていて
リーダーシップもあるから、ことある事に前線で指揮を取っていたあなたの下の名前。
...戦死する未来だってちゃんと見えていた。
それなのに僕は。彼女の恋人であり婚約者の僕は、日々戦場に借り出されるあなたの下の名前に
『頑張って』
なんていう生温い言葉だけを送って、その見通せた筈の未来から目を背けた。背けてしまった。
...責任は、僕にある。
「...この国が大好きで、弦月や長尾達を大切に思ってるあなたの下の名前だ。
きっと、周りの皆より先に死んで良かったって今頃天国で軽口叩いてるよ。」
───愛する人を失う感覚って、初めて知ったな。
まだ婚約なんて口約束で、婚約の盃すらも交わせてすらいなかったのに。
...もう一度、棺桶の中に眠っているあなたの下の名前の顔を見る。
綺麗だった。
これ以上無いってくらい、清々しい表情に見えた。
殉職か、...1人だけそんな綺麗に死んじゃって。羨ましいや。
研究者として、桜魔皇国の国民として、愛する人がいた一人の人間として、
初めてにしては知るのが遅過ぎた死の空虚を感じた。
彼女を初めて目にしたのは、確か禍祓の入学式だった。
運だったのか、はたまた家柄のお陰か、努力が実を結んだのかは定かではないが、
僕は首席として壇上に上がって軽く門出の言葉を言うという役割が振り分けられた。
そこで出会ったのがあなたの下の名前だった。
壇上に上がって生徒を軽く眺めると、一際目立つ髪色をしていたのがあなたの下の名前だった。
呪いの様な暗い赤色。光に照らされている部分は血溜まりを彷彿とさせる色になっていた。
同じく祓魔部門と官吏部門の首席だった長尾と弦月も派手な髪色だったが、
それよりももっと大きな衝撃を彼女の髪から感じ取った。
綺麗だけど、怖い。
そんな感情を彼女に出会ってから知った。
...その日を境に、あなたの下の名前と僕は知り合い、段々と仲良くなっていった。
同じく魔研究者の卵として授業に参加したり、ちょっとだけ魔に手を出して大人にブチ切れられたり。
あ、初めて話した時は邪険な態度を取られたっけ。
...数日後に一緒に現世のマンガの話をしたら一瞬で
「晴くんは良い人!!」とか言ってワンコみたいに僕に懐いてくれたのを今でも鮮明に覚えている。
神様が利き手で創った整った顔。その顔の裏に隠された、いつも悲しそうな表情。
だけど僕に話しかけてくれる時はいつも笑顔で。たまに泣いて、怒って、恥ずかしがって、
それを見てこっちまで笑ってしまいそうで、
そんな事を僕が思ってしまうくらい彼女は輝いていた。
───そんな日々を、ここ最近はずっと思い出していた。
...そこで目が覚めた。
覚めてしまった。
さっきまで目の前にはいつものあなたの下の名前が笑っていたのに、頭の痛さと共にそれが幻かの様に消えた。
いた筈の彼女は消え、目の前には自室が広がっていた。
枕元に手を伸ばすと研究資料があり、体は毛布に包まれていたので、ここはベッドの上なのだと気づく。
...寝ちゃってたかな、
嗚呼そうだ。葬式前にちょっと仮眠を取ろうとして仕事も残ってるのにここで寝たんだ。
...実感が湧かない。今日は本当にあなたの下の名前の葬式なのか?あなたの下の名前は本当に死んでしまったのか?
本当は幻じゃなくて、この部屋の何処かに隠れてるんだ
だってさっきまで目の前にいたじゃないか
だって、だってあなたの下の名前が死ぬ筈が無い
だって...、 ?
───そう思った所で、部屋の扉が開かれた。
いたのはあなたの下の名前、では無く長尾だった。
「お〜い、いつまで寝てんだよ晴。今日は葬式の筈だろ?」
長い髪は高い位置で括られていた。
その頭から少し目線を落とすと、その姿は喪服で包まれていた。
それを見て、さっきまで見ていたあなたの下の名前は夢だったのだとようやく悟った様な気がした。
「あぁ、うん。今支度するよ。」
寝ぼけ眼のままベッドから降り、散らばった資料を踏まないように気をつけながら洗面所に行く。
あなたの下の名前には家族やそれに近い血縁者がいない。正確に言えば戦死してしまった。
だから今日は僕が喪主を務める。
口約束だったとは言え、婚約者である僕が喪主を務める事は暗黙の了解の様だった。
...自然な流れでなってしまったが、正直後悔していた。
だって誰よりもあなたの下の名前の死を実感することが出来ない人間が喪主をするだなんて可笑しいだろう。
悶々としつつ、着ていたいつもの羽織を脱ぎ、気慣れた喪服に身を包む。
髪を多少は整えようとし、鏡の前に立った。
...そこには酷くやつれた自分の顔が映し出されていた。
そのあたかも「自分は不幸だ」と主張している様な顔を見ていると、次第にイライラしてきた。
どうにも、鏡の中に移る自分がこちらに対し説教をしようとしているみたいに思えたのだ。
『どうしてあなたの下の名前を助けなかった』
『どうしてあの時戦場に赴くあなたの下の名前を引き止めなかった』
...そう言っているみたいで、
何だか正論だけをこちらに撃ってこようとしているみたいで。気持ち悪かった。気分が悪かった。
「...あなたの下の名前は死んだ。死んじゃったんだ。それは自然の摂理で、変えられる事が出来なかった運命なんだ。
だから黙ってて。...何にも出来やしない出来損ないが口を聞くな。」
それを鏡の前の生意気な「僕」に言ったのか、
本物の出来損ないの「僕自身」に言ったのかは自分でも良く分からなかった。
だがこれだけは言える。
────引き止めもしなかった独り善がりの愚図が、あなたの下の名前の死を後悔しているんじゃ無い。
と。
...無意識に、歯磨き用の水の入ったコップを鏡にぶち撒けた。
鏡は自業自得を体現した様な男を映したまま、ただそこに置かれているだけだった。
葬式は以外とスムーズに進んでいった。
戦死が然程珍しくない国だから葬式になれている人が多いというのもあるが、
多分あなたの下の名前の死体が状態の良いものだったという点が大きいだろう。
体がバラバラだったり、頭が無かったり。そういう大きな損傷が無く、
あったとしても腕や首に数点だけあるかすり傷のみ。
致命傷は死装束で隠せる胸元にぽっかりと空いているだけ。
だから棺桶にも寝かせやすいし異臭も抑えられている。
「最期まで綺麗だったなぁ、」
真っ白な棺桶の前であぐらをかいてそう呟いた。
...1日目の葬儀が終わり、僕とあなたの下の名前は最期のお別れとして一緒の座敷で寝ることになった。
長尾と弦月の計らいだった。
現世にもそういう文化があるらしい。なんでも、遺族の代表の者が一緒の部屋で1泊寝泊まりするんだとか...。
そんなこんなであなたの下の名前は棺桶の中、僕はその隣で布団を敷いて寝る事になった。
嬉しかった。
最近はずっと会えてなかったし、夜だって一緒に過ごさない日も多かったから。
お互い仕事が忙しく、年中多忙の身でもあるからこんな「恋人」みたいな事、出来なかったから。
「懐かしいね。禍祓の時はたまーにこうやって寝てたよね。」
学生時代のまだ青さが残っていた日々を思い出す。
────照れていた貴方を見ると不思議とこっちまで顔が赤くなった事を今でも覚えている。
「好きだよ」とか軽い言葉で、何だか恥ずかしくなってしまったあの日が。
喧嘩をして、それでも隣に貴方がいないと怖いと思ってしまったあの時が。
...目の前に貴方がいて、「おはよう」と言って、微笑んでくれる事がどれだけ幸せだったか。
あなたの下の名前がそんな僕のあの頃を知る術はもう無い。あなたの下の名前と共に亡くなってしまった。
棺桶の蓋を開けて、白くなった愛しい人の顔を指でつうっとなぞる。
────帰ってきて欲しい。
そう思うのが辛くて。
口から出そうになったその言葉を飲み込んだ。
苦かった。同時に胸が苦しくなった。
「嫌だ」
苦しさをどうにか吐き出す為に、頭を掻き毟った。
...溜め込んでいたものが外に流れる。
そう思った時には遅かった。
「ッ嫌だ」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
「なんで?なんであなたの下の名前が?」
「僕があの戦場にいれば?」
「変異種さえどうにか出来ればあなたの下の名前は死ななかった?」
「そうだよ僕がいればあなたの下の名前は死ななかったんだ」
「何が研究者だ何が魔研究の権威だ大切な人を守れないんじゃやっている意味が無いだろ」
───言葉はどんどん口の外に漏れ出ていった。
頭を掻くのが止まらない右手は段々と何か分からない液体に濡れていった。
同時にそこから皮膚が抉られる痛みが広がる。
「はぁッやってられない」
「何の為に僕は、甲斐田晴は生きてきたんだ」
「桜魔皇国の為?国民の為?長尾と弦月の為?家の為?家の権威を守る為?」
「全部違う、全部はあなたの下の名前の為だったんだ」
「大好きだった、どうしようもなく」
「あの人の為なら、あなたの下の名前の為なら誰かの吐瀉物でも笑顔で喰らえた」
「虫だって魔だって何でも喰らい尽くせと言われたらそうした」
「あなたの下の名前は僕の女神だった」
「愛していた」
「好きだった」
「大好きだった」
「何だって出来たんだあなたの下の名前の為なら」
...がりがりがりがり
「だけど僕は守れなかった」
「危険って分かってた、分かりきってた戦場に、あなたの下の名前を送り出した」
「一番死んじゃいけない人が死んでしまった」
「僕の太陽が死んだ」
「もう駄目だ」
「そうだ、そうだよ禁忌さえ犯せば」
「いや駄目だそうしたらあなたの下の名前があなたの下の名前じゃ無くなる」
「あなたの下の名前が消えてしまう」
「どうしよう」
「嫌だ」
「...僕が代わりに死んでしまえば良かったんだ。」
がりがりがりがり
がり、
...右手の動きを止めた。
その手を頭から離し、じっと見つめる。
────手にはべったりと血が付いていた。
やってしまったと、直感的に思った。
その場に抜け落ちた髪には元々の毛の色である白銀の他に赤色が付着していた。
その髪は床の上でくっつき合い、塊になって落ちていた。
途端に、さっきまで右手があった頭の箇所の皮膚が痛み出した。
ぎんぎんとした痛みが、患部は疎か頭全体に広がっていく様に感じた。
...もう自分は駄目かも知れない。
汚れた右手を見つめる。
...あの時あなたの下の名前が握ってくれた手はもうこんなに汚れてしまった。
「...あは、汚ったなぁ(笑)」
笑い事なんかじゃない。
分かってる。
だけど。それでも
「っあははッ」
乾いた笑いが止まらないのは何故だろうか。
狂ってしまった?
いや、戻っただけだ。元から自分はこんな醜い人間だった。
だいじょーぶ。あなたの下の名前と出会う前の、元の僕に戻っただけ。
...嗚呼、そっか『戻ったんだ』
「戻ったのなら、もういっか。」
もう良いのだ。
愛する人が消えてしまった。
死んでしまった。
...僕は
貴方から解放されてしまった。
────甲斐田家の名に置いて命ずる。刃、斬、刀、魂...
左手に魔法陣が形成される。
終わりにすればいいのだ。
この恋を、気持ち悪さを、そして倫理も理性も何もかも。
「さ、あなたの下の名前。僕と一緒になろう?」
「悪いことなんか何にも無い。...そうだよ。一緒になるだけ」
...そう言い、一緒になる前に、狂う前に、忘れ物があったことに気づいた。
これが無いと一緒では無くなってしまう。
袴のポケットの中の四角い箱を取り出す。
「これ。前言ってた現世の指輪」
「綺麗でしょ。ガーネットっていう宝石が埋め込まれてるんだぁ」
術式を格納し、指輪を寝ているあなたの下の名前の左手の薬指にはめる。
心做しか、あなたの下の名前が怖い顔をしたのは気の所為だろうか。
「『強い愛情』って意味を持ってるんだって。...この言葉は後から知ったけど」
ガーネットの色はあなたの下の名前の赤い髪に良く似ていた。
怪しく、そして綺麗に光り輝く。
月夜に照らされて光を反射する赤い宝石。
それはまるで初めて出会った時のあなたの下の名前のあの呪いみたいな髪を彷彿とさせた。
だからこれを選んだのだ。
「現世では『婚約指輪』って言ってね。婚約の盃みたいな感じで二人で付けるんだって」
「だからこれは僕からのお呪い。ね?だから一緒になろう?」
拒否出来ない状況のあなたの下の名前に固く、指輪をはめた。
細くて綺麗な指に赤い宝石が良く映えた。
そんなあなたの下の名前の手と同様に自分の手にも同じ指輪を左手の薬指にはめた。
「嗚呼、良く似合ってるよ。すっごく可愛くて綺麗」
今までに出た事のない程歪んだ声が出た。
それは愛情に似ていて、愛憎に似ていて、低い声みたいで、高い声みたいで。
とにかく気持ちの悪い声だった。
「さ、終わりにしよう」
棺桶を完全に開き、格納していた魔法陣を再度展開する。
────聖善零斬。
ばしゅっ。
僕の声に反応して解き放たれた術式は見事にあなたの下の名前の顔を傷つけずに手足だけを綺麗に胴体から切り取った。
その綺麗な腕や足が腐らない様に再度氷の術式を展開して凍らせた。
「やっと一つになれるね。」
手足が無いことを明日の火葬で他の人に悟られない様にダミーの骨と肉を精錬。
完璧だった。これ以上無いってくらいに。
切り取った大好きな人の手足を改めて氷で固めて取り敢えず床下に閉まっておいた。
明日くらいに他の祓魔師の方々に僕”ら”の邸宅まで運んでもらおう。
────やっちゃった。
後戻りなんて出来ない。
だけど、後悔はしていなかった。
だって僕らは『婚約者』なのだから。
「晴って自炊なんかしたっけ?」
今日も僕ら”4人”は一緒に食堂でご飯を食べる。
「ん〜いい加減健康にも気を使わないとなって」
今日は売店で買った蕎麦...では無く、自炊して作った焼肉弁当を弦月と長尾と話しながら食べている。
「晴くんが?へぇ〜珍しっ」
「だよなぁ〜...てか健康云々言うんだったら普段の生活をマシな感じにしろよ」
「長尾だって人の事言えないじゃん。いいですぅ〜お前らには一生作ってやんないんだから」
「「やだ作って」」
「お前ら現金だな」
肉は柔らかくて、やや筋肉質だった。
焼き過ぎたかな?まぁいいや、美味しいし。
焼肉のタレ万能かよ、野菜まで美味しく感じる...
ちょっとだけ肉を捌くのに手間取ったけど普通に美味しく作れて大満足だ。
「美味そーいいなー」
「あげないっつってんだろ」
そんな事を3人でやっているうちに、モグモグと食べ進めていくと歯に何か硬いものが当たった気がした。
傍に置いてあったティッシュでそれを口の中から出す。
それはあの日、あなたの下の名前にはめてあげた婚約指輪だった。
...あ、そっか。今日左腕の日だっけ。
それを思い出した時、肉がさっき食べた時よりも美味しく感じられた。
一噛み一噛み大切に味わっていく。
筋がぶちぶちと口の中で音を立てる事さえも愛おしく感じる。
「てかそれ何肉?硬そう」
「僕鶏肉だと思ってたけどなんか豚肉みたいな見た目してない?」
2人が不振そうな目でこちらを見るから、こう答えてやった。
「大好きな人から貰ったんだ。...まぁ、贈り物。みたいな?」
僕があなたの下の名前以外の人間を「大好きな人」と表記するのは不自然。
もうすぐ2人は気づくだろう。さっき吐き出した指輪と、僕の指輪が同じものだという事を。
不自然な笑みを浮かべた僕の左手には、まだガーネットが取り付けられている指輪が付けられている。
虚のリクエストでした!!!!(敬称略失礼)
えー、カニバリズムで御座います。えぇ。夢主さん喰われましたね。
書き方これで正解だったんかな...大丈夫かな色々と。
...まぁこれは私から皆さんへの早めのクリスマスプレゼントって事でね受け取って下さいませ。
R18タグ自分から付けましたからね。無敵ですよ私は!!!!!!!
ちょっと自分雑談と報告良いですか。
まず雑談なんですけど、皆さんクリスマスって誰と過ごされます?
私学校の方でクリスマス自習会〜クリぼっち回避して勉強しやがれ〜みたいなのがあるのでそれに参加するんですよ。
お生憎様恋人がいなくて勉強がパートナーみたいなものですから。
あ、去年は名古屋いったなぁ〜と今思い出したりもしてます。
...あと報告ですね。明るい話です。
12月24日と25日、エンドロールより重大発表があります。
大分前...というか1年前くらいに前垢で計画してたのを今回友達も巻き込んでやったります。待ってて下さいね。
以上!またのご愛読を。
追記
ガーネットの石言葉
・強い愛情
・束縛 など











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!