第32話

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2018/08/23 05:06
「なに。」
冷たい声が出る。

「冷たっ!・・・まぁ、話したいなぁ って」

そう言って細める目の奥にあるものは読み取ることができない。

「はぁ、分かったからその話し方やめない?気持ち悪い。」

そう言えば顔の表情はすべて取り払ったかのように無表情になる。いや、目はまだ細めたまんまでも口元は無 だ。

「ああ、分かってたんだ?じゃあいっか。それで告白OKする気になった?それ程俺を見てたんでしょ?」


「いや、ない。無理って言ったし、見てないから。
ていうかアンタ私のことが好きなわけじゃないでしょ?」


そういえば鳩に豆鉄砲という言葉を使うくらい
目を丸くさせ驚いている


その後「っハハハ、」笑う。


ホントにコイツは理解できない。


「なに、笑って__」
「ーーハァ、好きなんてものじゃないよ。そんなもんと同じにしないでよ、あんなすぐに崩れる脆いものと……

俺は紗季ちゃんのことを愛しているから。」

「は、」


"愛してる"がこんな怖いと思ったことない…。

すぐに笑顔から能面のような顔に戻る。
それは一種の狂気さえ含んでいるように見える


頭に鈍器が振り下ろされたように痛い。
もう、無理。ここに居るのは、こいつと二人きりなのは "危ない。"

「っ、そう。じゃあ帰るから」

そう言って 図書室の扉に手をかけようとすれば


ーーーひんやりとした冷たい手が上から覆いかぶさる


カタッと小さく鳴った扉は次に
ダン!と大きな音を響かせる



「っ、」

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