第3話

3.
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2023/04/22 04:13
あなた「海人くんはさ~」

あなたさんはなにかにつけ僕に質問をした。

僕に興味がある、というよりも、この古書店

で興味の対象になり得るのが僕という存在だけ

という感じだ。 こんなにも素敵な古本たちに

囲まれているのに、それには見向きもしない。

じゃあ、どうして彼女は古書店なんかに来てい

るのだろうか、という出会ってまず抱いた根本

的な疑問に回帰しそうだ。

でも、悪い気はしなかった。いいや、少し、

少しだけ、嬉しいと感じでしまっていた。

背まで伸びた黒の髪は雨の湿気を孕んで

艶かしく反射し、ワンピースの上からウエスト

に締められたベルトは身体の線を強調し彼女を

異性だと意識させる。 そしてなにより、

その以上に憂いを含んでいるような伏せがちな

二重の奥の瞳が、僕は好きだった。

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読んでくれてありがとうございます!!

次回ep 3. お楽しみに~ 😻




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