数日後 、私はウィンターの招待で
騎士の叙勲式を一緒に見に行ったが 、
着いた頃にはウィンターが教会の前の
守衛と…喧嘩していた…
私はウィンターの怒りのこもった呟きを聞き
彼女が無意識に退くのを見てから
勇気をだして再び前に踏み出した
普段は臆病に見える私も、「 余計なお世話 」
をしてあげたいと思った。
見物人が増えていくのを見て
額に汗をかいた守衛は口を開こうとしたが
次の瞬間
と言い訳をして勢いを取り戻した。
ウィンターはどう対応すればいいか分からず
私は突然手を引いた。
教会の裏側まで来たところで
2人は立ち止まった。
いいの?ウィンターは自分を責めて一瞬
ためらったが 、
絶好のチャンスだ。
このまま兎の人形を引き裂いて魂を解放し、
それを証拠としてウィンターを捕まらせて
天国に連れて帰ろう。
理性的にはそう思っていたが 、
静かに目を閉じて信頼しきっている
姿を見るとそう出来なかった。
まあいいや 、また今度にしよう…
私は勝手な目くらましを施して 、
ウィンターを連れて番人をかいくぐり
教会のドームの上にやってきた
2人はカラス戸の下から、
叙勲式が行われているのを見ていた。
長剣が騎士の肩に置かれると、
ウィンターは腕の中のぬいぐるみのウサギを
そっと持ち上げて 、とても優しい声で言った。
そんなにむずかしいことではないから。
しかしウィンターは笑っただけで答えなかった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!