第40話

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2024/04/13 03:25 更新
魔法局では、モナクがオーターの自室で待っていた。
することがなく、人も来ない為部屋の真ん中で跳ねている。
外では、ドタバタと足音が聞こえていた。
オーターがいない分、仕事は部下達に回る。死に物狂いで消化していた。
こんなに暇なら、オーターに遊んでもらっていた方がまだ良い、と思ってしまうようなレベルで暇である。
そんな感じで過ごすこと二時間。
モナクは突然、自分の中に電流のような何かが流れる感覚を味わった。
⁉︎
この感覚は……モナクは、記憶を辿る。
……
主人の身が危ない時に起こる、ある種のサインのようなものだ、と思い出した。

それならば、今すぐあなたの元へ駆けつけなければならない。
モナクはそう思い、窓の方へ近寄る。
しかし、窓は全て閉まっていた。
オーターが閉めていったのだ。
警戒心が強いのは良いことだが、今のモナクにとっては邪魔でしかない。
部屋の入り口の方も見てみるが、もちろん開いていなかった。
モナクは、声を上げて、部屋の前を通った人に開けてもらおう、と考える。
しかし、すぐに駄目だと諦めた。

そもそもモナク語はオーターとあなた以外には通じない。
他の神覚者とも会って、会話をしようとしたが、誰も通じなかったのだ。
それに、変に音を立てると不審者がいると騒がれかねない。
騒がれる分にはいいのだが、オーターに連絡されると困る。絶対に怒られる。

彼奴にがやがや言われるのは、意地でも避けたい。
そもそも、オーターと居るのにピンチ、ってどういうことだ。

おい神覚者、しっかりしろ。
心の中で、そう愚痴を言う。
*#
窓をもう一度見る。
モナクが体当たりをすればガラスが割れそうかを見ているのだ。
悩んでいる暇はない。
かなり大きな音を立てるが、あなたの危機だと思えば何とかなる。
どうせ部屋に入る事は不可能なのだから大丈夫だ。
オーターに何か言われたら、あなたを危機に晒したお前が悪い、とでも言っておこう。
モナクは、勢いよくガラスに当たる。
それを数回やると、簡単にガラスは割れた。

こんなんでいいのか、と思いながらも、あなたの気配を辿る。

すると、道の真ん中で突っ立っているオーターを見つけた。




やばそうな輩
何かと思ったら、暴れてんなァ
ドスの効いた、低い声がした。
悲鳴を上げようとするが、口を塞がれているので声にはならない。
何処から声が出ているのかも分からず、あなたは怯えた。
やばそうな輩
で、このガキをどうすりゃあいいんだっけか?
久しぶりの感覚だ。
村で虐められていた時に聞いたような口調。
昔は何とも思わなかったのに、オーターとの生活に慣れてしまった今では恐怖しか浮かばない。
どうすればいい、という言葉からして、誰かに頼まれてやっていることが伺えた。
つまり、自分は何者かに狙われている、ということ……
あなた
(魔法のせい?)
まず思いつくのはそれだった。
だが、オーターからは、魔法のことは外部には言っていないし、言ってはいけないと教えられている。
だから、目の前の人達が知っているはずがない。
やばそうな輩
俺らの指示に従うよう自我をなくさてから、気絶させればいいって言ってただろ。
やばそうな輩
そうだったな。
やばそうな輩
でも、このガキ、簡単に人を殺せるんだろ?無闇に近づいたら俺らも死ぬぞ?
あなた
……!
簡単に人を殺せることを知っている。
つまり、あの事件のことも、魔法のことも知っているようだった。
やばそうな輩
杖持ってなきゃ大丈夫なんだろ?
何でこういう時に限って杖を持っていないのか……
簡単な魔法、それも鍵を開けるだけ、みたいなものしかないが、杖をぶん投げるくらいは出来たはずだ。
やばそうな輩
自我を消すなら、暴力で何とかなるだろ。
やばそうな輩
だな。それで無理だったら魔法や薬もある。
自我が何のことかはよく分からない。
だが、暴力や薬、魔法など物騒な言葉からして、自分が何をされるのかは分かった。
やばそうな輩
さっさと終わらせよーぜ。
また足音がする。
それは段々と大きくなった。さらに近づいてきていることが分かる。
あなたは目を瞑った。元々目は隠されていて見えなかったが、反射的にそうなったのだ。
バリンッ
その時、何かが割れる音がした。

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