あの波乱の昼休みの後、早速依頼が入ったらしい。
その言葉を聞いてすぐに乱歩さんは目を輝かせ、話に食い付いた。
今回は乱歩さんと同行できると言う事で、尊さのあまり鼻血大量出血で新たな殺人現場(死体は私)を此処に作り出しそうになりそうだ。
しかし、その気持ちをグッと抑えて私は依頼先に向かうための準備を始めた。
In 事件現場の裏路地
大通りから離れ、港から少し歩いた所にある裏路地。そこが事件の現場だったらしい。
乱歩さんがハンチング帽を取り、胸に当てる。
この仕事についてかなりの回数亡くなった人を見てきたが、やはり慣れない物である。私もそっと胸の前で手を合わせた。
長い髪を一つにまとめたメガネの大人しそうな女性だ。「10分で帰る」と言いって、20分経っても戻ってこなかった市野地を探していたら彼女がここで倒れていたというわけだ。
その時、箕浦警部の携帯が鳴った。
箕浦が応答している時に、私なりに少し遺体の観察をしてみることにした。
遺体は結構綺麗な方…だと思う。争った形跡は特になく、うつ伏せで倒れてるから背中をグサッとやられてそのまま亡くなったのだろう。
殺害で使われたナイフ?はこの近くに落ちているモノって資料には書いてあった。
路地から表の道路へと続く道をみる。
そこには赤い足跡…
被害者の血溜まりを踏んだと思われる足跡がくっきりといくつかついていた。
その時、電話を終えたであろう箕浦警部が声を上げた。
箕浦警部が持っているタブレットに目を向ける。そこには容疑者と思われる3人の男性と防犯カメラの映像が写っていた。
どの人もかなり大柄な体型だ。
私と箕浦警部が不思議そうに見る中、微笑を浮かべた顔で彼は言った。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!