思わず息をそろえて言う私たちに向かって乱歩さんは呆れたように言う。確かに犯人がここまで分かりやすい証拠を残すわけがない。
そう言ってタブレットに映る容疑者候補だった人たちの写真を指差す。
ここで考え込んでいた、箕浦警部が閃いたように呟いた。
推理している乱歩さんかっけぇ…!心臓に悪い…!
じゃねぇわ危ない危ない。え、誘導されてたの?私たち?犯人頭良い…。
乱歩さんが足跡が続く道の反対方向を見る。そこには生活感をまるで感じない、古めかしい一軒のビルがあった。
確かに人1人出られそうな古い窓が階層ごとにずらりと並んでいた。
此処で申し訳なさそうに鯱野さんが手を挙げた。
真相がわかったという興奮からか、彼女が声を張り上げる。
箕浦の指示を受け、忙しなく動き始める警官達。
私は事件が乱歩さんの手を借りることなくあっさり解決したことに驚きつつ、取り敢えず探偵社に戻る支度をしていた。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。