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第4話

雨と体温(前編)
9
2026/03/18 05:21 更新
岬視点

ーーー10年前

雨の音がやけに遠くに聞こえた。

冷たくて、暗くて、静かだった

体温が下がっていく感覚だけがやけに鮮明で無力感に襲われた

もうどうでもよかった。

父は早くに他界

母は知らない男と出て行ったきり、帰っては来なかった。

決して裕福とは言えなかったが幸せだった、、と思う。

視界の端で、水たまりが歪む。

誰かが走ってきたのだろうか。

跳ねた水が頬に当たった。
四季
四季
...!なぁ!なぁってば!!
うるさい

やけに必死で、やけに近い。
四季
四季
こんなとこで何してんだよ!!
大丈夫か!!
返す気力もなかった

ただ、、鬱陶しいと思った。

なのに。

頭上の雨が止んだ。

視線だけを動かすと、そこには同じ髪の色で紅い綺麗な瞳の少年。

泣いていた、傘をかざしながら。

初対面のはずなのに、どうしてそんな顔をするのか分からなかった。
四季
四季
...使って
差し出された傘。

それから小さいパーカー。
四季
四季
寒いだろ、これ、着て、、ね?
無理やり肩にかけられた。

雑で、強引で。

でも、やけに手つきが優しかった。

立たせようとしてくれた手を振り払おうとした。

ーはずだった。

力が入らない。

四季
四季
くそ..っ、なんでだよ...っ!
少年の声が震えていた。

引っ張る手が諦めきれずに何度も動く。

本当にうるさい。

面倒臭い

そう、、、思うのに。

なぜだかその手を振り解けなかった

意識が沈む。

最後に聞こえたのは、雨ではなく、、

四季
四季
っ.....!!
とうちゃ、、父ちゃん!!
泣き叫ぶ声だった
今回は岬の過去編です!!

後編早めに出します!

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