第4話

0章 〜落札者はだれ?〜
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2021/05/01 04:50
⚠軽めの暴力表現が入ります




私が落札されてから少し経つと、1人の男が私の腕を引いて何処かへと連れて行った

今の私は目隠しをしているため、周りを視認する事は叶わない


「この少女で間違いはまりませんね?」


このオークションの関係者らしき男が言った


「おう!合ってるぜ!」


この場には相応しくない程の、明るい声が響いた

これから「この声の主に仕えるのか」と思っていると、シュルりと目隠しが外された


「あぁ、本当に綺麗な目をしているんだな」

「おっ、ホントだな!」


私はあまりの眩しさに目を細めたが、声の方を辿ると、そこには褐色肌の男が2人

その奥には3人の男がついていた。護衛だろうか

美しい白銀の人と高い身長にターコイズブルーの髪の人が2人

笑みが浮かんでいる口元からは鋭利な牙が見え隠れしている

「護衛にはピッタリだ」なんて思った


「では、1億マドルのお支払いとなります」

「あ〜、それなんだけどなぁ…今日、持ってきてないんだ!」

「はい…?」

「お前らにぃ渡す金はないってこと♡…分かってんだろ?」

「あぁ、そう言えばここは闇オークションでしたね。僕が告発したら一巻の終わりだ」


そんな言葉が行き交っているが、意味が分からずに私は混乱した

オークションなのに、お金を払わない。挙句には、ここを告発すると脅している

どんな横暴な集団だ、なんて思っていたら話は進展していたらしく、警備の男がかけて来た


「ジェイド、フロイド。後は頼みましたよ」

「「 はい/はぁ〜い 」」


そう言われた2人の男は10人程もいた警備員をなぎ倒していった

鳩尾を蹴り、顔を殴り、首を絞める。その手元には、短い刃物も握られていた

生暖かい鮮血が私の頬にも付着した


『ひっ……』


あまりに暴力的なその行為に、思わず悲鳴の声が漏れた


「あぁ!怖いよな…ごめんなぁ…」


そんな事を言うこの人は、全く怖くなさそうだ

あれだけ恐ろしい行為を目の当たりにしているのに、なんて平然と…





私は、そこで記憶を手放した





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「あっ!気絶しちまった…」

「ふむ、少女には少し刺激が強すぎましたか」

「お前らが、所構わずに暴れ回るからだろう…」

「運ぶのが楽でいいじゃーん!」

「おやおや、フロイド…彼女は僕たちの人魚姫ですよ。大事にしなくては」




黒い長髪の男が彼女を優しく抱えた

5人はここにはもう用はないと言うように、その場から去っていった


「さて、向こうの人達と合流して帰りましょう」



暗闇に彼らの笑い声だけが響いていた








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