第8話

八日目
1,235
2024/03/11 13:08 更新
十一月一日。
あなた
やあ、三郎!!
あんな無様にカッコつけてフラれたのに。
三郎
よくそんないつも通り出来るな…?
あなた
……まぁ、ね


あなた
おっと!
そうじゃないんだってば!
あなた
お願いがあるんだ!!
あなた
聞いて、くれないか?
そんな強請るような目で見られたら、
三郎
はあ、聞くだけ聞いてやる
私は随分、あなたに甘いようだ。

あなた
これ、
手拭いを渡される。


大きくも小さくもない普通の。


白色なのに汚れひとつない。
三郎
これが何なんだ?
あなた
これをね、とある死体か墓に
置いて欲しいんだ
とある、死体?
それってもしかして
三郎
お前のこと、だよな
あなた
えへ、バレちゃった
あなた
そーだよ、俺の死体ね
あなた
これにこの手拭いを被せてくれ
なんだ、思っていたより簡単じゃないか。


いやまてよ。
三郎
あなたが自分で置けばいいだろう?
あなた
まあ、それでもいいんだけどねぇ
なんだそれ。意味がわからない。


三郎
いいさ
三郎
その頼み、受け入れてやる
あなた
!!ほんと?
ほんと、と頷くと私の周りをぐるぐると浮遊する。




































4時間ほど経っただろうか。
三郎
見つからない……!!
あなたに在処を聞くが、


あなたも分からないらしい。
そんなのどうやって見つけろと!!?
あなた
見つからないね〜?
三郎
いやいやそれにだな…
三郎
七年も前の死体が
残ってるとでも思うか!?
あなた
残ってるんじゃない?
あなた
多分、というか絶対にね
雰囲気ががらりと変わる。
確証はないけれど、納得してしまいそうだ。

三郎
ひとつ聞いてもいいか
聞きそびれていた事。
三郎
お前は成仏したいのか?
あなた
…へっ?な、なんで?
三郎
この手拭いを置けなかったのが未練、とかじゃないのか?
あなた
いやいやないない!!
あなた
そんなのが未練なら、とっくに
自分で置きに行ってるさ!
んん、それもそうだな。
三郎
じゃあ、なぜ…
あなた
俺の存在を
思い出してほしい人がいてね
あなた
それを置いたら
きっと気づいてくれる
あなた
……なんてね
にへらと笑ってそう言うが、どこか寂しげ。
三郎
誰かに忘れられたのか?
あなた
いや、忘れてはないと思うよ?
あなた
きっと覚えてないだけだから(
三郎
それを忘れたって
言うんじゃないのか(
あなた
あ!!
急に大声を出すあなた。


あまりに急だったもので身体がびくついてしまった。
あなた
その人にいつか出会えたら、
伝言お願いしてもいーい?
三郎
はあ、次から次へと……
注文が多いな。
あなた
『俺はお前の側にいるよ』
あなた
お願いね
三郎
__ああ、心得た

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