第5話

No,3
869
2023/04/06 12:30 更新
彼と出会ってから早数週間、僕は彼のことが頭から離れなかった。



気付けば彼のことを考えいる。そんなことが増えた。そして彼のことを考えて

いる時間は今までに無い位幸せな時間だった。

阿部亮平
そういえば、あの人の名前知らないなぁ
渡辺翔太
ん?どうした?
そう言って聞いてきたのは僕の数少ない友達の一人の渡辺翔太。

中学に上がってすぐに仲良くなった人、というか翔太以外の人と話せなかった

というのが正直なところ。
阿部亮平
実は僕………今少し気になる人がいて。
少し顔を赤らめてそう言うと翔太はニヤニヤした顔をした。
渡辺翔太
もしかして、好きな人?
そんなことを言う翔太の顔はすごく楽しそうだ。
阿部亮平
違うよ、男子。女子じゃないよ。それでその人の名前を知りたいんだけど
どうしたらいいのか。
僕が真剣な顔で話し出すと、顔を見て察したのか翔太は真面目な話を聞いて

くれた。しかし聞くだけで何もアイディア出て来ない。

渡辺翔太
あ、それだったら写真部の写真見せてもらえばいいんじゃね?
あれだったら色んなやつの顔が載ってるし、俺大体やつが分かるから
教えられるかもしれないしさ。
阿部亮平
本当!?じゃあ、お願いします。
翔太は性格はいいし、人付き合いもいいから知り合いや友達がすごく多い。

それなのに何故かよく僕のところにきてくれる。僕よりも一緒にいて楽しい人

たくさんいる筈なのに何故………




























そして放課後、僕は翔太と一緒に写真部の部室を訪れた。行くことは先輩に伝

えていたのですぐに入ることが出来た。




写真部の部室には天井ギリギリまでの高さの脚立や色褪せてもういつの物かも

わからないアルバムがたくさんある。

その中から一番新しいアルバムを引っ張り出して翔太と写真を見た。
いくら新しいアルバムとはいえ、すぐに見つかるだろうか。
阿部亮平
あ、この人だ。
渡辺翔太
ん?どれ?
僕が見たその人が写っていたのは中1の時の体育祭。一位でゴールテープを

切る瞬間を収めたものだった。
渡辺翔太
これ佐久間が一位でゴール切った時の写真じゃん。
あの時はすごかったな~。
阿部亮平
え、この人の名前………知ってるの?
渡辺翔太
おう、あいつ結構な有名人だぜ。名前は佐久間大介。
阿部亮平
さくまだいすけ………
名前を知っただけ、それだけなのにすごく心が踊った。


さくまくんは翔太が言うように有名人だったため色々ことを聞くことが出来

た。

渡辺翔太
なあ阿部、今めっちゃ笑顔だけどどした?
阿部亮平
え、そう?特に何もないけど。
渡辺翔太
ふーん、あっそ。それよりもうすぐ時間になるしさっさと片付けて
行こうぜ。俺もう疲れたわ。
阿部亮平
うん。翔太、今日はありがとう。
そう言って少し錆びて開きの悪くなった扉を閉め写真部の部室を後にした。

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