それから1ヶ月。B奈からは佐山の恋バナを聞かされ
岡ちゃんはその間に佐山との距離を着実に縮めてきていた。
ある日のLINEで
この壮絶な三角関係は岡ちゃんの勝利で幕を閉じた。…………………ハズだった。
その翌日も何も知らないB奈は私にこう言った。
B奈「佐山ってちょっと思ったけど、私の事好きじゃない??」
どう答えればいいものか……
A子「チャンスはあるかもね!」
B奈「よねー!最近すごく目が合うし!昨日なんてさー……」
岡ちゃんはこのことを、私を含めてまだ3人にしか口外していないらしく、その3人も口を割るような性格ではなかった。
私はB奈が気の毒だった。現実の片思いを知らずに空想の両思いに浸っている。でもそんな事私から告げる勇気もない。
でもそれが、B奈の幸せなら、
私は何も言わずにいよう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。