私たち4人で住んでいる家では“当番制”というものがあり、2人1組で毎日交代していく。
基本的にマナとロウちゃん、るべと私。
当番の内容については、料理や洗濯など家事が多い。でもご飯については外出に行ったり出前を取ったり(とくに夜や休日の昼)だったり、当番関係なくロウちゃんが寝てる朝はマナが1人になるから私やるべが手伝ったりと殆どなんでもありになっている。
(ロウちゃんは朝弱いから朝ごはんの当番は免除されている。一応起きれたら手伝ってな、とはマナが言っていた。)
るべが起きてきたところで、まだ寝ているであろうロウちゃんを起こしに行く。
ロウちゃんの部屋の扉をノックする…が、返事はない。
返事かえってくるわけないだろうと最初から思ってたから扉を開けてロウちゃんが寝てるベッドの傍に行く。
ロウちゃんの横腹から手を這わせて赤ちゃんを高い高いするように抱いてベットから立たせる。
そして、階段降りる時に落ちられても困るのでロウちゃんをおんぶしてリビングに降りた。
ロウちゃんは私の背中から降りて椅子に座る。そして朝ごはんを食べだした。
ほんと自由人だなぁ……。
これがいつも通りの朝。毎日が楽しくて仕方がない。
朝ごはんを食べた後は、着替えたり歯を磨いたりする。
マナに感謝して、マナの部屋に入る。
マナの部屋は綺麗で床に物が落ちてたりしないし部屋がとてもいい匂いだ。恐らくキンモクセイのルームフレグランスの匂い。
マナは香水などにはいつも金木犀の香りを選ぶ。確かに金木犀っていい匂いだからマナが好きな理由も分かる。
ドレッサーの引き出しからコテを持って洗面所へ行く。
私はるべの隣でコテを使う。
顔周りは外巻き、全部外にするんじゃなくて内外を交互に繰り返していくのがコツ。
全て巻けたら、冷ましてからほぐし、今日は少し高めのポニーテールにする。
るべの横だけ巻かれた髪の巻かれてない後ろ側を巻いてあげる。
てか、るべ化粧してる。めんどくさいからとしないこともあるが。すっぴんもかわいいけど化粧したギャルしいるべも、私は好きだ。
るべの髪をふたつに分けて、片側ずつ括っていく。括ったあとは私が前髪アイロンしてる間に自分で微調整してもらう。
ケープは紫色で、ロウちゃんがるべの誕生日に「お前っぽいから」という理由でるべに買ってきたものだそう。
ロウちゃんはケープと香水を渡していた。しかも香水も紫っぽいものだったはず。
いつもツンツンしてるけどやっぱりロウちゃんはるべも含め、私たちみんなのことが好きなのだろう。
るべから借りた紫色のケープを前髪を目掛けてかける。
実は私はリップをロウちゃんから貰っていたのだ。それも私好みの色味。誕生日ではなかったが、ロウちゃんが病んでどうしようもなかった時に私が付きっきりでそばにいてあげていたお礼にと「前はありがと…」と顔を赤らめて渡してきたのだ。
その姿はとても可愛く、思わず抱きしめてしまった。
るべが家を出たあと、私もリビングに行く。
あれ、マナいない。パジャマ姿でソファーに座りながら寝ているロウちゃんだけがリビングにいた。
ロウちゃんを何とか起こし、手を引いてロウちゃんの部屋に行く。
クローゼットのハンガーにかかっている制服を出し、ロウちゃんに渡す……が、ロウちゃんが自分で着替えるわけない。
なので、ロウちゃんのパジャマとして使っているTシャツを脱がせる。
そして、制服の白ブラウスに腕を通してもらい、前のボタンを閉める。
…大きな赤ちゃんみたいだ。
スカート履かせるのは難しいから下は自分で着替えてもらう。
パーカーを着せるといつものロウちゃんの着こなしだ。
るべは普通に歩けば間に合う時間より45分ほど早く出ていった。絶対寄り道してるなコレ。
一緒に行った友達はリトか佐伯ちゃん辺りかな。いや、意外とカゲツの可能性もあるかも。
しょうがないなぁ。と、ロウちゃんを私の部屋に連れていき、ドレッサーに座らせる。
ヘアブラシで髪をとかし、ヘアミストをかけてあげる。いい匂いで、サラサラになるやつ。
そして、へアイロンで髪を真っ直ぐに伸ばしてあげる。
ロウちゃんはウルフだから、襟足だけ若干外ハネにしてあげる。
うん。やっぱり赤ちゃんみたいだな。
高校生にもなって、友達に歯磨いて貰ったり着替えさせてもらったりしてるのロウちゃんだけじゃない?
2人でリビングに行くが、マナはいなかった。
ひとりでマナの部屋に行ってみるとマナはリュックを背負おうとしていた。
歩けば間に合う時間の15分前だった。
私はリビングに戻った。
ロウちゃんは辛いことを溜め込むし怪我も放置する、マナは体調悪くても誰にも言わずいつも通り家事してるし。
るべはロウちゃんと同じく怪我を放置するし……。
もっともっと私を頼って欲しいよね。
それぞれの部屋にカバンを取りに行く。
カバンを持ち、靴を履く。
私は家の鍵を閉める。ロウちゃんの眠気はすっかり覚めた?ようだ。
ロウちゃんと手を繋ぎ、通学路を歩く。
意外と学校までの道のりは近く感じた。上靴に履き替えて、また手を繋いで教室に行く。
教室に入ると、マナもるべもいた。
巻き髪ツインテールのるべは少し見慣れない感じがするがとても可愛らしい。
るべはリトと、マナはライちゃんととても楽しそうに喋っていた。
「あ!2人ともおはよー!」と声がする。
この子、赤城ウェンはこの女子校で恐らく一番のぎゃう。ギャルじゃなくてぎゃう。
赤城きゅんはとてもノリが良くて、場を明るくしてくれる存在。
るべと話しているリトはスポーティーで非常に声がでかいゲラ。でも赤城きゅんと同じで場を明るく盛り上げてくれる。
マナと話しているライちゃんは、よくマナと2人で歌を歌っている。ギターも弾けて歌も上手くて、この女子校のなかでも1位を争うほどファンが多い。
赤城きゅんがロウちゃんに渡したのは、チュッパチャプスだ。
それから少したち、予鈴がなったからそれぞれの席に座る…といっても私たち4人含め、仲良しな子は割と固まった席だ。
私は窓際の後ろから2番目でその後ろはロウちゃん。私の隣は赤城きゅん。ロウちゃんの隣はるべ。これで班員みんな仲良し。
班は違うけど私の前も佐伯ちゃんとその隣がリトちゃん。
ライちゃんとマナ、カゲツは少し離れているが、その3人も固まっていて授業中もベラベラと楽しそうに喋っている。
こっちは、授業中に睡眠する子もいる。ロウちゃんは常習犯だ。リトは授業中にコソコソお菓子食べてるし。るべもよく寝てるような。
赤城きゅんは授業の発言を良くするし、佐伯ちゃんは意外と真面目に授業受けてたり、結構真面目な子も多い。
赤城きゅんは適当に発言することが多いからそれに対してリトが大爆笑することもあるが。
そこまで頭が良い高校では無いが、ルールは緩々でとても充実した学校生活は送れている。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。