第3話

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2025/08/10 07:38 更新
 
それから部屋にいると、
花を吐くことが少しずつ多くなってきた。
 
部屋以外のところではほとんど花を吐くことがなくなったのに、部屋の中では毎日のように花を吐いた。
 
糸師凛
糸師凛
ッ、ごほ、げほ…ッ、お゙ぇ……ッ、!
 
それでも、俺はまだ、
母さんと父さんに花吐き病のことを隠していた。
 
でも、部屋でこんなに吐いていれば、
母に見つかるのも時間の問題だ。
 
そう思いつつ、打ち明けられずにいた今日、
 
花吐き病のことが母さんにバレた。
 
糸師凛
糸師凛
げほ、ッ、おぇ゙…ごほッ、!
 
母
……凛?
 
扉越しに、母さんの声が聞こえた。
 
糸師凛
糸師凛
ッ……!?
ごほ、げほ、ごほ……ッ!!
 
母
どうしたの!?
凛、入るわよ!
 
ガチャリと音を立てて開いた扉の向こうには、
焦った顔の母さんが立っていた。
 
母
……花?
 
母
もしかして、凛、花吐き病なの?
 
糸師凛
糸師凛
……ッごほ、げほ…なんで知って…ッごほ、!
 
母
……凛、病院には行った?
いつから花吐き病になったの?
 
母さんは俺の質問には答えず、そう聞いてきた。
 
糸師凛
糸師凛
病院には……ッ、ごほ、!行ってない。
なったのは、3年前くらい……
 
母
病院に行きましょう、凛
 
糸師凛
糸師凛
…何で?
 
母
さっき、何で花吐き病を知ってるのか、
って聞いたでしょう。
 
母
答えはね、
私の友達が花吐き病だったからよ。
 
糸師凛
糸師凛
母さんの、友達が……?
 
母
ええ。
 
母
私の友達も病院には行かなかったけど、一生懸命病気について調べてたの。
 
母
その事をいつか役立つかもって
私にも教えてくれてたのよ。
 
母
花吐き病は死には至らない、とか
最初は花弁を吐いて、最終的には花ごと吐くようになる、とかね。
 
俺が調べた内容と同じだった。
 
母
…でも、その子は結局、
亡くなっちゃったの
 
糸師凛
糸師凛
は?何で……
 
母
花吐き病が進行して、花ごと吐くようになって、その花が喉に詰まって、息が出来なくなって、亡くなっちゃったのよ
 
母
あとでかかりつけ医の人に私の健康診断ついでに話をしてみたの。
 
母
そうしたら、花吐き病は症例が少なくて、しかも多くの人が長い年月をかけて、恋を諦めるか成就させるかをしているから、亡くなる人を見たことがなかったのかもしれないって
 
母
だから病院に来てないだけでそうやって亡くなっている人もいるかもしれない、って
 
母
病院に行けば、少なくとも花吐き病について、調べた情報よりも知っている先生がいるはずよ
 
母
そこで花吐き病との付き合い方を教えて貰って、カウンセリングもしてもらいましょう。
 
母
……凛、お願い。
花吐き病で死んだりしないで……。
 
母さんの声は震えていた。
 
亡くなった母さんの友達は、
相当仲のいい相手だったのだろう。
 
糸師凛
糸師凛
分かった。
明日病院に行く。
 
母
ありがとう、凛。
 
母
それと、花吐き病のこと、
お父さんに言っても大丈夫?
 
糸師凛
糸師凛
嗚呼、大丈夫
 
 
母
冴はどうかしら?
 
糸師凛
糸師凛
……兄貴には言わないで。
 
母
分かったわ。
 
糸師凛
糸師凛
そういえば、俺の部屋の前に居たってことは俺に何か用事でもあったのか?
 
母
あ、そうだったわ!
夜ご飯が出来た、って伝えに来たの!
 
糸師凛
糸師凛
忘れてたのか。
まぁいいや、すぐ行く
 
母
ええ、先に行って待ってるわね
 
母
花の後始末とか、3年も吐いてたらもう慣れたかもしれないけど、何か手伝えることがあったら言ってね。
 
母
それと、
……3年も気付いてあげられなくてごめんね
 
糸師凛
糸師凛
え、いや……
俺が隠してただけだし…
 
母
ひとりで苦しかったでしょう?
 
糸師凛
糸師凛
それは…まぁ……、
 
母
これからは何でも言ってね
 
糸師凛
糸師凛
……ありがとう
 
部屋から母さんが出て行ったのを確認して、
俺は花を片付けた。
 
何だかスッキリしたような、安心したような気がした。
 
 
星宮いずみ💎(主)
星宮いずみ💎(主)
はい!
 
星宮いずみ💎(主)
星宮いずみ💎(主)
今更ですが花吐き病の捏造注意です!
 

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