それから部屋にいると、
花を吐くことが少しずつ多くなってきた。
部屋以外のところではほとんど花を吐くことがなくなったのに、部屋の中では毎日のように花を吐いた。
それでも、俺はまだ、
母さんと父さんに花吐き病のことを隠していた。
でも、部屋でこんなに吐いていれば、
母に見つかるのも時間の問題だ。
そう思いつつ、打ち明けられずにいた今日、
花吐き病のことが母さんにバレた。
扉越しに、母さんの声が聞こえた。
ガチャリと音を立てて開いた扉の向こうには、
焦った顔の母さんが立っていた。
母さんは俺の質問には答えず、そう聞いてきた。
俺が調べた内容と同じだった。
母さんの声は震えていた。
亡くなった母さんの友達は、
相当仲のいい相手だったのだろう。
部屋から母さんが出て行ったのを確認して、
俺は花を片付けた。
何だかスッキリしたような、安心したような気がした。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。