どうも。滉斗の兄の拓斗です。
俺の前で泣きじゃくってたあの日から、はや数日。
弟は無事に、" モトキくん " と
スタジオ入る約束が出来たそうです。今日はその当日。
友達との約束の日は9割寝坊するのに、
今日はしっかりと1回目の目覚ましで起きて、
前々日から考え尽くしてた服を再度練り直してました。
うん。兄ちゃんびっくり。
すっごいモトキくんのこと好きじゃん。
今は何をしているかと言うと、服装チェック。
特段オシャレしなくてもイケてると思うけれど
まぁ好きな子に会うんだもんね。おしゃれしたいよね。
……what?
かっこよすぎる。流石俺の弟。
あれ、こいつ今、遠回しにダサいって言った??
言ったよね??え???
母さんと父さんには、滉斗の恋愛対象のこと、言ってない。
「勇気ないなら俺から言おうか?」って提案したけれど、
「…まだ、いい。」って返ってきた。
なんとなく、怖いんだろうなっていうのは分かった。
まぁ親だから、そのうち気づくと思うけど…。
ってか、もう気付いてたりして。
えーと…、確かこの辺に置いたはず…
あ、あった。
シュ と、ワンプッシュ、香水を振る
待ち合わせ場所は俺の最寄り。
ここの駅の方が、周辺にいろいろあるからここにした。
______📱♪
元貴
「着いたよ。どこいる?」
あ、やばい。なんか急にドキドキしてきた。
元貴どんな服装かな。
俺だけ張り切ってるみたいだったらどうしよ。
ってかあの流れのまま元貴って呼んでいいのかな?
俺の脳内ではもう完全に元貴呼びなんだけど…
急に距離詰めすぎ?
いやいやでもスタジオOKしてくれてるし……
……いや、待って。元貴、すんげぇ…え、ちょっと、
想像以上に私服の破壊力凄いんですけど…//
あ、俺がジロジロ見すぎたから?
すごい似合ってるのに意外と自信なさげなんだ。かわい。
……なんか、「かっこいい」とか、
女子から飽きるほど言われてきたけど、なんだ、これ、
なんか、すっげぇ嬉しい……!!
って、いやいや落ち着け俺……。
こんなんでバクバクしてたらほんと、今日持たねぇよ。
キラキラと目を輝かせ、興奮した様子で
話し続ける元貴。
ぐいぐい と 袖を引っ張られる。
あれぇなんか……、ここまで犬っぽかったっけ…笑
本当に可愛い…。そんで、なんか、俺すごい楽しい。
友達と遊ぶときとは違う高揚感で…。
ありきたりな言葉で表すとすれば、
今日は素晴らしいほどに "good day"。
ずーっと、元貴に魅了されて過ごすんだろなぁ…笑
…………君となら、僕となら、間違いないって思うけどな。
常連だとしてもやけに親しいな と思ってたら、
叔父さまだったのか。
も、もも、「もっくん」……!?!?
こりゃまた随分と親しそうな…笑
ひろぴゃ……、ん?え?俺のあだ名の話?
違和感を感じた。
「お母さん」と言われた瞬間に、
顔が凍ったというか…、すごく焦った顔というか…?
笑顔だってなんだかぎこちないし…。
また、何か隠してるなぁ。なんて思いつつも、
やっぱり踏み込む勇気などなくて、気づいてないフリ。
1口、頬張ると、口の中が幸せでいっぱいになった。
眉尻をかくんと下げ、まるでとろけたみたいな笑顔で
パンケーキを頬張る。
……本当に、可愛いなぁ、笑
分かってるけどね。
僕に見せる笑顔は、友達としてのものってことくらいは。
分かってる……。
だけど、せめて、今日だけは…。
今日だけは、君の boy friend。
そんな夢を見させてくれ。
……" 今日だけは " って、ずっと続けばいいのになぁ…。
----- 𝐩𝐫𝐨𝐟𝐢𝐥𝐞 -----
大森元貴の母の兄(叔父)。
若井の最寄り駅近くで個人の喫茶店を営んでいる。
" 知る人ぞ知る " という、まさに穴場喫茶店。
元貴から「宇宙一」と言われるほどの料理の腕前。
心配性なのは合っているが、
心配しているのは、本当は元貴の母のことではなく_______?













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。