そう言うと、狗巻先輩は俺の右腕を強く引っ張って、先輩達が居る方向へ連れて行った。
すると、すぐにその人に目を奪われた。
華奢な体つきに、日光で反射する雪のような白髪、白く長いまつ毛。
極めつけは、サングラスから見える、中に水晶のように輝く白のハイライトが入った、水色の瞳。
その女性は、髪を靡かせながら俺らの元に近づいてくる。
何か吸い寄せられるようなオーラを纏う彼女は、狗巻先輩の肩に両手を置いて、世間話を始めた。
彼女は、付けていたサングラスを外して、俺の顔をまじまじと見てきた。
そして満足したのか、彼女はサングラスをかけ直し、胸を張って笑顔を見せた。
もう...個性が強い人達がいることに慣れてしまった。
だから俺は、何も考えずにただ、挨拶することを選んだ。
それが功を期したのか、先輩は俺を気に入ったと言った。
苦笑いをすると、ふとある問題を思いついた。
俺らの会話を、俺ら二人を除く高専生徒は渋い顔をして見ていた。
俺は隣でずっとブツブツ言っている兄貴を無視して、伏黒に話しかけようとした。
ヘラヘラ笑っていることが、声色で分かった。
この状況を、薫先輩は怪訝な顔で見ていた。
俺はこのカオスな現場を見ながら、真希先輩にお茶を渡した。
ということで、一時的に高専に帰ってきた薫先輩に名前を教えて、その日は先輩達と五条さん達も含めて、鍋パーティーをした。
...久しぶりに、大きな声で笑った気がして、楽しかった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。