仕事から帰りお風呂を上がった時だった
ユウシくんは突然そんなことを言った
" もう一泊はだいたいもう一泊じゃない "
その言葉を理解するのに時間がかかった
髪を拭いていた手を思わず止めた
…… よく分かんない
泊まりにくる奴ほど帰らないってどういうこと?
自分から泊めてって言う人ほど帰らないって事?
……… とう … けい … ?
統計って …… なんだ … ? どういう意味 … ?
なんか調べたってこと … ?
レポートかなんかで そんなこと調べたの ?
そんなしょうもないことを ?
ずるい言い方するな 〜 ……
2日間休みなんてことあるの … ?
そういう大学なのかな
なんて思ってると ふと朝のことを思い出した
これ以上なにも突っ込ませない
そんな言い方だった
きっと人には人の事情がある
だからもう突っ込まない
いつもより淡々とした , 堂々とした口調
いつもの大人しいユウシくんの印象は全くなくて
これじゃ ただのそこらにいる " 男子大学生 " だ
そんなことがあってついに金曜日
月曜日からうちに居座り始めたユウシくんは
一週間 一度も大学へ行くことはなかった













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!