土曜日の朝
ユウシくんの作った目玉焼きを食べていると
ユウシくんが口を開いた
今週は毎朝ユウシくんの作った目玉焼きだった
だって美味しいんだもん
仕方ないよね
申し訳なさそうに , 様子を伺うように
私にそう言ったユウシくん
確かにこのままだと兄の服を借りることになる
" いいよ " と言う前に一言
どうしても聞きたいことがあるんだ
朝ごはんも作ってもらって
家事もしてもらって 晩ご飯も作ってもらって
困ってることなんかなければ
逆に私は得していると思う
だけどやっぱり
" 誰かのための生活 " は慣れなかった
ユウシくんは少し考えてから言った
見たことない笑顔だった
控えめに微笑むんじゃない , 満面の笑みだった
両肘を机について 両手で顎を支える
甘えるような態度と声色
今までのユウシくんからは想像できない
そんな姿だった
______ これじゃあもう ,
" 居候 " じゃんか













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。