第123話

《40》1人
1,194
2023/04/21 09:32
突然の紅丸の行動に空緒桜は目を丸くした。
如月空緒桜
如月空緒桜
…何を…してるの…?
新門紅丸
新門紅丸
…さあな。
紅丸は静かに呟き、目を伏せた。
新門紅丸
新門紅丸
(何も知らねぇ…けど、今日はどうにも…言葉や行動が勝手に出るな)
自分自身にため息をつきながら、紅丸はぎこちない手つきで空緒桜の頭を撫でた。
新門紅丸
新門紅丸
んな悲しいこと言うな。お前に何があったか知らねぇが、自分を低評価し過ぎだ。
如月空緒桜
如月空緒桜
…本当のことだから…貴方には、関係ない。
空緒桜は僅かに顔をしかめて紅丸から距離を取ろうとするが、紅丸は離さないように手に力を込めた。
如月空緒桜
如月空緒桜
…ッ…やめて、ください…離して…!
思わず空緒桜は抵抗する。顔も心做しか強ばってきた。
如月空緒桜
如月空緒桜
お願いだから…ッ
新門紅丸
新門紅丸
離したら
新門紅丸
新門紅丸
離したら…お前はまた、1人でどこかに行くのか?
如月空緒桜
如月空緒桜
紅丸の言葉に、空緒桜は動きを止める。
新門紅丸
新門紅丸
口振りからしてお前…その兄貴や家族はいねぇんだろ。俺がここから立ち去ったら、お前は1人だぞ。
如月空緒桜
如月空緒桜
…それでいい…それが、アオの運命だから…
空緒桜はそう言うが、言葉に反して表情は暗く、顔を俯かせた。
如月空緒桜
如月空緒桜
アオはこれから消える。そしたら、兄さんと同じ場所に行けるから…1人じゃなくなるから。
新門紅丸
新門紅丸
空緒桜の言葉に、紅丸はそっと空緒桜から離れた。
新門紅丸
新門紅丸
…許す訳ねぇだろ。
如月空緒桜
如月空緒桜
…え?
そして少し間を置いて低く言った。空緒桜が驚いて顔を上げると、ジト目を向けた紅丸がいた。
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