初兎ちゃんside
自宅のマンションでゆっくりしていると、玄関のチャイムが鳴った
りうちゃんは学校に行ってて居なかったから僕が対応しに出ると、小包みを一つだけ持った男がそこにいた
ああ、りうちゃんががまた何か買ったらしい
僕が小包みを受け取りサインをすると、その男はエレベーターで上に昇っていった
小包の中からはカチカチと、何か機械音のような音が聞こえる
たぶん美容のための家電か、時計か何かなんやろ
万が一壊すとりうちゃんの雷が怖いと思い、あまり触らずにテーブルの上に置いておいた
リビングで座りなおすと、唐突に思い出す
そうや、そういえば今日は冷蔵庫の中が空っぽやったんや
買い出しに行かへんと…
僕は部屋を出て、エレベーターで一階に降りオートロックのエントランスを抜け、近所のスーパーに買い物に向かった
…買い物に行って、ほんまに良かったわ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。