第16話

No.16 任務を完遂するだけ
2,820
2024/01/06 07:00 更新

秘密書類が管理されている場所は
ヨコハマの端にある小さな工場の地下らしい。


“小さな”…と言っても、それは表向きだけで
地下にはとても広い空間があった。


私は其処に潜入し、秘密書類があると
言われている部屋に忍び込む。



こういった任務は初めてではない。


安全装置セキュリティに気をつけて
USBに情報をコピーし、持ち帰る。




それだけの任務の筈だった……






ピピピピ!!!!
突然鳴り響いた警報音は、
侵入者の存在を知らせるためのもの。
あなた
(おかしい…安全装置セキュリティには
気を付けていた筈なのに……)
あなた
(真逆まさか私の他にも侵入者が…?)
 
あなた
(今考えても仕方がない。
はやく建物から出ないと…!)



甲高かんだかい音を繰り返す警報音に急かされてしまう。

私は速やかにUSBを外套のポケットにしまい、
建物から脱出しようと試みる。






しかし事前に考えていた脱出経路は封鎖され、
その道から建物外へ出ることは難しい。


ただでさえ、地下なのだから
地上へ上がる道は限られている。



どうしようかと頭を悩ませていた時、
今回首領に渡された任務資料の中に建物内の
構造が記された紙があることを思い出した。
記憶を手繰り寄せ、
この状況から生還する糸口を考える。
あなた
(そういえば…!)
確かこの建物内で、3箇所だけ
壁が薄く出来ている場所があった。

そして、その近くには地下水道がある。
 
あなた
(…これしかない)

私は見張りに見つからないよう建物内を移動し、
目的の場所まで行った。
あなた
(この場所なら…)

私はご信用に持っていた手榴弾の止め金を外し、
それを壁の方へ投げてから物陰に隠れた。


カンッ……カララ……と手榴弾が音を立てて床に落ちた途端、ドガーン!!と大きな音を立てて爆発する。


そして私の狙い通り壁に穴が空き、
地下の下水道と開通した。



無論、爆発音を聞き付けて
人の跫音あしおとが聞こえてくる。

だけれど、あらかじめ扉は重いもので
塞いだから直ぐには追いかけてこれないだろう。




私は建物の壁を越え、
地下水道に沿って走り出した。

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