俺の視界は紅色に染まった
普段は考えなくてもわかることだが
今はなぜか理解するのに時間がかかった
これは自分の血ではない
では…ダレの?
ドズさんもぼんさんもおらふくんも今はいない
負傷者の手当に行っていたから
だったら考えられるのは一人しかいない
そう理解した瞬間おんりーの後ろに誰かいる
と目視することができた
そいつは狐のようなやつで尻尾があった
いや…そんなことどうでも良い
まずはおんりーのことを心配するべきだ
おんりーのもとへ駆け寄り傷を気にする
だいぶ傷が深かった
紅い血が流れ床にポタポタと落ちていた
おんりーチャンが自分の方を触る
すると信じられないという顔で
ホワワーン
止血をした
火柱が立ち高速で俺らの方へ向かってきた
それを俺とおんりーチャンはかろうじて避ける
俺とおんりーは作った城の一番上に行き
相手との距離を取った
おんりーチャンがアイツラについて来られないように
少しばかりの魔弾を放った
案の定あいつは避けなかった
多分かすり傷にもならないと思ったんだろう
でも予想とは違った
魔弾はあいつの肩を撃ち抜いた
見るとあいつの肩にナイフが刺さっていた
しかもおんりーチャンが刺された場所と同じ場所に
そうこいつは俺らと話してるときも魔弾にあたっている
故に体中で血が出ている
俺らは楽勝か?
なんて余裕をかましていると
どこからともなく声が聞こえた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。