まだ話せていないこと。それは、そう簡単に人に言える内容ではない。
人生に大きく関わることで、簡単に決めてはいけないこと。
それは…
“私は生きてて良いのか”
って言うこと。
本当に、わからなくなる。
なんの取り柄もなくて、この先生きることも難しい。
こんな私が生きてる意味なんて、価値なんてないんだ。
私はそんな思いを日々、日記に残している。
これは、絶対に見せてはいけない日記だ。
私は無理矢理明るい顔を作り「用事がある!」と部屋を飛び出した。
私、小川桜花は月の机の上に日記が置いてあることに気がついた。
好奇心が心を抉り、日記の中身を開いて、目に付く言葉を見つけてしまった。
私はそう思い、日記を読み返そうとポケットに手をかけた時、あることに気がついた。
どこで、無くしたんだろう。
病室で書いて…机の上だ。
しかも、絶対に開きっぱなし。
私は急いで病室に戻り、机の上を確かめた。
けど、日記は無い。
桜花の手には、私の日記があった。
私が伸ばした手を桜花は見事に避け、私の目を見て話し出した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。