第2話

言えない秘密
175
2023/06/10 11:37
まだ話せていないこと。それは、そう簡単に人に言える内容ではない。
人生に大きく関わることで、簡単に決めてはいけないこと。
それは…
“私は生きてて良いのか”
って言うこと。
本当に、わからなくなる。
なんの取り柄もなくて、この先生きることも難しい。
こんな私が生きてる意味なんて、価値なんてないんだ。
私はそんな思いを日々、日記に残している。
これは、絶対に見せてはいけない日記だ。
小川桜花
小川桜花
…月?
大丈夫?
凪原月
凪原月
えっ?
小川桜花
小川桜花
暗い顔してるよ、ナースコール押そうか?
凪原月
凪原月
あ、ううん!
大丈夫!
私は無理矢理明るい顔を作り「用事がある!」と部屋を飛び出した。
 
小川桜花
小川桜花
月、大丈夫かな?
小川桜花
小川桜花
あれっ?
私、小川桜花は月の机の上に日記が置いてあることに気がついた。
好奇心が心を抉り、日記の中身を開いて、目に付く言葉を見つけてしまった。
日記
“こんな私が、生きてて良いのかなっ?”
小川桜花
小川桜花
小川桜花
小川桜花
月っ!
小川桜花
小川桜花
なんで…
 
凪原月
凪原月
…逃げてきちゃった。
凪原月
凪原月
桜花に、心配かけちゃったな…
私はそう思い、日記を読み返そうとポケットに手をかけた時、あることに気がついた。
凪原月
凪原月
日記が、、、ない。
どこで、無くしたんだろう。
病室で書いて…机の上だ。
しかも、絶対に開きっぱなし。
凪原月
凪原月
桜花に見られる前に、取り戻さなきゃっ…
 
私は急いで病室に戻り、机の上を確かめた。
けど、日記は無い。
凪原月
凪原月
桜花、私の日記知らない?
小川桜花
小川桜花
日記?青色の?
凪原月
凪原月
よくわかったね!
青色のだよ。
小川桜花
小川桜花
これ、だよね?
桜花の手には、私の日記があった。
凪原月
凪原月
っ、返してっ!
私が伸ばした手を桜花は見事に避け、私の目を見て話し出した。

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