第60話

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2025/09/01 09:00 更新
自分で言っておいて、すごく恥ずかしい。

でも、私の覚悟は伝わったのかな?

崇裕先輩は私にキス以上のことをしたことがない。

崇裕先輩の家も、私の家も、行き来したことがはあるけど…

泊まるのは初めて。

だから、今日………だと思ってる。

コ○スを出て、いつも通り手をつないで歩くんだけど…

口数は少ない。

電車に乗って、いつもの駅の一つ先。

付き合い初めてから頻繁に行くようになった駅。

事故に遭ってからあまり出歩かなくなった私が、最初に探検した場所。

駅から10分ちょっとで着く崇裕先輩の家。

大学も家から通える距離だから、会いたくなったら会える…って。
はまだ
どうぞ。
あなた
おじゃまします。
おじゃましてから気づく。

いつも賑やかなのに、今日は静かすぎる。

……誰もいない?
あなた
あれ、お母さんは?
はまだ
…旅行、行った。おとんは出張。今日は、2人きり。
…急に緊張してきた。

自分で言ったくせに、私の覚悟なんてちっぽけだ。
はまだ
わかりやすいなぁ…
あなた
…えっ?
はまだ
あなたの嫌がることはせえへん。先輩連発の分のキスはするで?でも、その先は…
あなた
私が子どもやから?
はまだ
……は?
あなた
子どもやからできへんの?
はまだ
それは違う。大事やからせえへんの。
安心半分、戸惑い半分。

覚悟した分、どうしていいかわからず固まる。
はまだ
…行くで。
私の手を引いて、崇裕先輩の部屋へ。

入ってすぐ、彼は私をお姫さまだっこ。

そのままベッドに座って、私を膝の上に乗せた。
はまだ
…俺な、今まで付き合ってきた人と適当やった、って話したやろ?
あなた
なんとなく…って言うてたやつ?
はまだ
そう。すべてが面倒やった。キスの先も。
あなた
…うん。
はまだ
でもな、あなたはちゃうねん。会話も、デートも、イチャイチャも…全部、大事にしたい。
崇裕先輩は私にキスをした。

そして、私の頭をなでた。
はまだ
このキスも、大事やねんで?今、この瞬間も、全部大事で、宝物やねん。
もう一度キス。

ふわふわにならくらい、幸せなキス。
あなた
そう言うてくれる崇裕やから、何をされてもいい。
はまだ
……えっ?
あなた
大事に…してくれるんでしょ?
目を見開いて、ビックリした顔。

そしてすぐ、キスで口を塞がれた。

初めての、噛みつくようなキス。

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